ある日、何気なくネットを見ていたら、水墨画家に関するセミナーがあるのが
目についた。
「朝の光が待てなくてー水墨画家松本奉山と関西-」と言うテーマで、石橋に
ある阪大待兼山修学館でやるらしい。わしは知らない人やけどネットで調べて
みると有名な人らしい。破墨的な、抽象画に近いような、ダイナミックな絵を
描く人みたいなんで興味がわいたのと、美術館ではなくて、大学の先生がどん
な説明をされるのかに興味があったので行って見ることにした。
石橋の阪大構内なんて行くのは初めてやから余裕を持って行く。
まず地図をたよりにと商店街に入るが、道がようわからん。店の人に聞いてみ
ると、そこにいたおばちゃんが丁寧に教えてくれた。踏切渡って、信号まで行
ったら右側の道を上がっていくんやでと言うことだ。
坂をどんどん上っていく。左手を上って行くと丘の上の方に博物館らしきものが。
右手の方はぐるっと回って池の横をとおる。その先に学舎らしきものが?
セミナー会場はその手前だった。
余裕を持ちすぎてえらい早く着いてしまったというのにもう何人かいてはる。
先着60人って書いてあったんで早く集まりはったんやろか? と思ったら、
皆さん、松本奉山のお弟子さん方らしい。お弟子さんというてもれっきとした
絵の先生方らしい。えらいとこに来たもんや。部外者はわしだけかもしれん。
座っててもおしりがむずむずする。
先生方と言っても順序があるらしくいろいろご挨拶を交わされている。
わしは寒いんでぼーとしてる。
さて、橋爪先生のセミナーが始まった。
なるほど、松本奉山という方は印象的な絵を沢山描いておられる。
みず紀行、すばらしい。
絵に描かれた風景と実際の場所の写真とを対比もされていてとても興味深い。
大阪画壇の話になる。
島成園、村上華岳、橋本関雪等々。
なるほどそういう位置づけがあったのか。
そういう文化の基調が大阪にあったっていいことやったんやろうと思う。
しかし、昔も今もそうやけど、どっかの誰かに属してないと作品の発表も交流
もろくにできない閉じた世界になりがちなのは哀しい事だ。
それから水墨画法の話、
6つの基本、気韻生動、骨法用筆、応物象形、随類賦彩、経営位置、伝移模写。
松本奉山の絵は、さささっと描いて一見、殴り描きのように見えるが、元の倪瓚
の絵のように、さりげないかすれの中に気がびしっととおって、写意が見事に
現れている。
沢山の資料と話を準備していただいたけど、その殆どを聞かせて頂く時間がな
かった。又いつか詳細なお話が頂ける機会があればありがたい。
絵を見ながら、話を聞きながら、最近は、描かずに描くという心を修行するの
を怠ってるなあって思った。描きたいことを一生懸命、あれもこれも表現しよ
うと焦るばかりで、余白の美、省略の美、侘び寂の世界、おろそかにしてたなあ。
勉強あるのみなのだ。
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ありがとうございました。