最近読んだ本、「キャパの十字架」

  • 2013年7月28日
  • 3人
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沢木耕太郎、「キャパの十字架」
ロバート・キャパのあの歴史的な写真、「くずれおちる兵士」にまつわるドキ
ュメンタリーだ。日本でも戦場に散った何人かの戦場カメラマンや散らなかっ
た何人ものカメラマンに大きな影響を与えてしまって、もしかしたらその為に
危険な戦場に行ってしまう原因にさせたかもしれない映像だ。スペイン内乱の
最中に、銃弾を受けて倒れる共和軍兵士を撮ったものだ。
その映像にどっか引っ掛かるものがあると言うところからこの話が始まる。
何か不自然だ。としたらどこが不自然だろう?
この兵士は本当に死んだのだろうか?
ここから謎解きだ。この場所はどこだろう?この兵士は誰だろう?
これは何年何月何日の事なんだろう?疑問を追ってスペインに行く。
実はこの話、テレビでもやっていた。2時間ほどの番組で全てがあきらかにな
った。これを見たから結果は分かってる。
しかし、それでも面白い。
謎解きの過程がまるでサスペンスを解きほぐしていくように面白い。それに事
実の重みが加わる。
日時が絞られてきた。兵士の名前はどうだ。よく知られた名前の人はどうも違
うようだ。場所も段々わかってきた。
その過程で、一連の写真を写したカメラが2台あることがわかってきた。
キャパとその恋人のカメラだ。彼らはいつも一緒にいた。
この写真はどのカメラで撮られたのか?
その写真をとったのは本当は誰なのか?
恋人ゲルダも戦場に散った。
もし神のいたずらか、偶然の僥倖のもとにか世の中から天才と謳われるように
なったら、そのことが人を天才にしてしまうのか?
あるいは神に天才と愛でられた人は、どのような偶然の僥倖もおのれのもとに
引き寄せてしまうのか?
もしそれが人生の負い目であるなら、それを背負って生きていくってどういう
事だったのだろうか?
いろいろ考えさせられて面白い本であった。

hon130728

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