マイケル・ブース、「英国一家、ますます日本を食べる」
前作、「英国一家、日本を食べる」はえらい人気でベストセラーになったらし
い。確かに面白かったし、外国人が日本食を好きになってくれて、どんどん食
べに行って、わしらの知らん事まで発見して、おもしろおかしく文を書いてく
れるというのは読んでいてもうれしくなる。それで、気がついたら、続編が出
てるではないか。それで早速読んでみた。
あれで気をよくして、又、来たんかいなと思っていた。しかし、ちょっとちゃ
うみたい。前作でカットされたものだけを拾って再編集したのだそうだ。
そやから、読んでてなんとなく流れがおかしい。不自然に飛んでる気がする。
でも基本的には同じモチベーションを持って一気に回った時の内容やから。伝
わってくるものはよく似ている。
やっぱり、何でこんなんまで知ってんのとか、こんな事まで気いつかへんかっ
たと言うような気付きがあって、日本に対する愛情が感じられて読んでても気
持ちがいいのは同じだ。
ところどころ、ちょっと違うなあとか、おいしさの受け取り方に違和感がある
ときもあるけど、それは読むほうの勝手なんで本の価値には何の問題もない。
それより、「こんなとこ行くんやったら、こんなモン食うんやったら、一言
わしに言うてくれたらもっとええとこ教えたんのに」ってつい読者が思うよう
なそういうシチュエーションをつくってしまったことに人気の元があるんやな
いかと思う。
マイケル・ブースさん次ぎに日本に来た時は是非、わしに連絡下さい。安くて、
妖しくて、おいしいとこ教えたげます。
横山秀夫、「半落ち」
読む本が切れて、図書館で何かええ本ないかなあって物色してたら、この本が
見つかった。確か、一時ベストセラーか何かになって騒がれたんちゃうやろか。
けどまあ、一回読んで見るかということにした。
志木警視は連続少女暴行事件を担当、もう少しのところまで追い詰めていた。
ところが突然、現職の梶という警察官がアルツハイマーに苦しむ妻を殺したと
自首してきた事件を担当させられることになる。何でやろ?
そして、事件は簡単、原因も結果もはっきりしてる。すぐに落着かと思われた
けど、何かおかしい? 空白の2日間の行動がはっきりしいへん。
しかし、そのまま検察へ。検察の佐瀬検事はこの捜査がおかしいと思い始めた。
しかし、何らかの横槍が入り、うやむやに。
結局、裁判所へ。藤林裁判官も不審に思うが、妥当な判決へ。
刑務所暮らしが始まる。刑務所の古賀担当刑務官は?
いろんな疑惑と不審がどんどん広がって、すこしずつ繋がっていく。
そして、話は、意外な方向に進んで・・・
さて、どういう決着をみるのか?
警察や、検察、裁判所、刑務所。犯罪を犯したら、自然に通って行く道筋や。
わしらからみたら、全く独立して動いてるように見えるけど、そこに出入りす
る新聞記者や弁護士なども含めていろんなしがらみがいろいろ影響しあって動
いているという内幕が想像できておもしろい。
結末もなかなか興味深い。こういう視点のサスペンスも面白いなあ。
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ありがとうございました。