最近読んだ本、「しあわせ中国」、「林則徐」

  • 2013年1月11日
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陳冠中、「しあわせ中国」
良い地獄か、偽の天国か、近未来のことを描いた小説のようで実はまったくの
今を描いているような感じにさせる不思議な小説だ。例の事件以来、どうも中
国の人のものを考えるプロセスを支えているのがどういうしくみなんやろと不
思議に感じることが多くて、その結果なんかようわからんでもやもやしたもの
がいっぱいになりつつすっきりしないでいるんで、こんな本を読んだら少しは
わかることもあるんかなあと思いつつ読んだ。
本としては面白い。失われた1ヶ月、その1ヶ月は本当にあったのか?、誰かが
恣意的に消してしまったのか?、やっぱり本当はなかったのか?
幸せの世に浮かれているこの国の人たちは真実を知らないのか?
党やらキリスト教やら作家やらエリートやらはじき出された人やらいろんな人
が絡み合って中国的な発想で事件が進んでいく。
なるほどこういう風に考える人たちがいるんやと目から鱗ではないけど新たな
納得感もわいてきておもしろかった。
「囚人のジレンマ」のような「ゲームの理論」のような駆け引きもあって緊迫
感も楽しい。
しかしやっぱりすっきりはせえへんねえ。

堀川哲男、「林則徐」
山口市に雪舟の画を見に行った時、常栄寺というところで雪舟庭を見たが、そ
この山の上に毘沙門堂があってそれを覗きにいったら、お堂の中の壁に貼って
あった新聞記事のたまたま林則徐の映画の話が載ってたのだった。
それで、林則徐=アヘン戦争=イギリス=中国=えらい目にあった。
くらいの知識しかないことに気がついた。
それで急に興味が湧いたんでとりあえず読みやすそうな本を読んで見る事にし
た。
清の末期、外国の事がわからんという事以上にその当時の官僚が全部が全部腐
りきったという印象があったけど、そうではなかったのだ。偉い人はやっぱり
きちんと居てしっかりした行動をしていたのだ。それに装備で劣る軍隊は外国
と戦争しても勝てるはずがないと思ってたが、ちゃんと戦えば勝っている時も
あるではないか。
そういう人も出てくる国なんや。
偉い人は偉い。しかし、1人で頑張ってもどうしょうもないときもあるのだ。
舞台は揚州や鎮江、行った事がある。砲台跡も見たのだ。それに香港や杭州、
いろいろ行った事がある場所が立ち上がって来る。それだけでも楽しい。
この人の本、もうちょっとちゃんと読んでみよう。
それにしても、この事件を機会に日本が列強の侵略に警戒感を強めることがで
きて明治維新ができたんやからありがたい話なのだ。

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