マレーシアへ行こう!(リニューアル編)37-夜明けのボルブドール寺院。

9年前に書いた旅のブログをリニューアルします。文や写真、その後の気持ちや情報なども追加、リニューアルしてみたいと思ってます。

 

午前4時出発。

えらい朝早い。まだ真っ暗やんか。

でも気分はとても明るい。ボルブドール寺院(遺跡)にいく大事な1日だ、雨が降っても予備の日はない。

しかも、今は雨季の真っ只中、毎日雨が降ってもしかたがない。「晴れてくれっ」って願ってたけど大丈夫みたい。ご機嫌だ。

しかも、こんな早くの出発、朝飯は抜きやなあって覚悟してたら、ホテルから朝飯弁当が出るらしい。嬉しい。

あじあん

ボルブドール寺院(遺跡)とは。

「ボルブドール寺院(遺跡)」とは、インドネシアの首都のある島、ジャワ島の東の方にあるジョグジャカルタという街の郊外にある仏教遺跡だ。紀元800年前後にできたらしい。日本で言えば桓武天皇の頃、平安朝が出来たころ。とても古い、とても由緒正しい、結構な歴史遺物だ。もちろん世界遺産になってる。先日も天皇陛下がインドネシア渡航時に訪問されてた。

あじあん

ボルブドール寺院(遺跡)を何で知ったかというと。

これがジャングルの中で発見されて、まだ整備もされてなくて廃墟に近かった頃、フランスの有名な写真家、「アンリ・カルティエ・ブレッソン」という人が撮った写真がある。これに強烈な印象を受けて、いつか行きたいって強く、強く思っていたのだ。まだ廃墟の中に生き残ったか修復されたか仏像が一体、瞑想してはる画像であった。写真集も買って持ってたんやけど、残念ながら無くしてしまった。

今回の風景やら、写真の印象やらをないまぜにして後日、出来た絵がこんなやつだ。

あじあん

遺跡に向かう。

暗い中、2時間ほど走る。

街中から郊外に出て、田園を通って森を抜けて、駐車場に着いた。

運転手兼ガイドさんが懐中電灯を持って案内してくれる。あちこちから集まった観光客が皆、同じように懐中電灯で照らしながらゾロゾロと上に登っていく。

してみると遺跡は上にあるのか。

丘の上の遺跡に向かって真ん中の通路を登っているらしい。

しかも石段で、その段差がメチャ大きい。階段のサイズって人の体型に合わせたもんやとしたら、この当時のこの国の人たちってえらく大きかった? ガリバーの巨人国?

目が慣れたか、ちょびっと明るくなってきたか、周りが少しみえるようになってきた。

仏塔や仏像がびっしりと並んでいる。秩序があるようなないような?

仏像よりも塔が圧倒的に多い。

その間、間に観光客が入り込んでるように見える。

朝早いせいか、南国といえどもひまだ涼しい。

あじあん

振り返ってみる。

登りながら振り返ったら、下の方は霧がかかって見えにくいけど遠くに山が見える。

とても姿が美しい。2つピークが見える。

皆さんそっちを向いて座ってるんで、多分あの山のあたりで日が出るみたいだ。

左が休火山でメルバブ山、右が活火山ムラピ山ということらしい。

そう言えばあの火山が怪しい動きをしてる。噴煙が増えてきた。もしかしたら噴火するかもしれんということで、そうなったら旅行がダメになるんで心配してた。

幸いなんとか事なきを得たようだ。

ただし、今でも火山灰が少しずつ降り注ぎ続けてるそう。

あじあん

場所取り。

さて、どっかに落ち着きたい。

見学場所は決まってるわけではなさそうだ。夥しい数の三角の舎利塔と石仏の間の通路や土台の端の方に居場所を見つけてそこに座ったらええみたい。

早い者勝ちだ。

皆さん、どんどん場所決めをしてはるんでぐずぐずしてたらなくなってしまう。

たまたま、二人連れの女性の横に空きがあったんで強引に座り込む。

なんとなく、誰かのために確保してる風でもあったけど、文句言われたわけでもないし、曖昧な顔をしながら居座ってしまう。

なかなかええ場所だ。

あじあん

太陽が出る兆し。

まだ太陽は出てへんけど、周りは大分明るくなってきた。

眼下には田圃や森が広がっているらしいのが朝靄の中で見え隠れして朦朧とし
ている。

とても良い感じ。まるで水墨画の世界ではないか。

正面の山も良い。

噴煙がたなびく様も良い。

その山の側面が赤くなってきてる。

多分、あそこから出る。

そういやさっきから微妙にはらはらと顔や手にかかってるんは噴煙の灰に違い
ない。

このタイミングで、どこからか読経の声が聞こえてきた。

タイミング良すぎではないか。

なんとなくお経風ではない。なんせ、この国はいまは仏教国とちゃうから日々の暮らしでお経が出るはずがない。

きっとあれはコーランを詠唱してはるのだ。

長閑な田園の上を柔らかく撫で摩るように流れて行く。
まるで暁光を迎える祈りであるかの様に朗々と響いている。

仏教遺跡と違和感が・・・

でもなんとなく気持ち的には似合ってるから、これはこれでいいのだ。

あじあん

三角の橋が一瞬ギラリとした。

おっ出よったと思う。

一気に明るくなって仏像の顔も隣で見物のお嬢さん達の顔もしっかり見えた。

丁度その時、彼女達の連れが現れた。

「あんた等の席取ってたのに日本人の爺さんたちに取られてもたわ」ってスペイン語らしき言葉で言い合ってる。

しらんけど。

もう遅いわい。

朝が来たのだ。

素晴らしい。

ボルブドール寺院あたりの地図。

より大きな地図で ボルブドール寺院 を表示
あじあん

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