司馬遼太郎、「南蛮のみち Ⅰ、Ⅱ」
何でこの本を読んだかと言うと、今連載中のマレーシア、インドネシア旅行に
行った時にマラッカも訪れた。その時に日本にも馴染みの深い、フランシスコ
・ザビエルの像があったのが印象的だった。そう言えば、ここにイエズス会の
拠点があってザビエルが滞在してた時期があったんやわと思った。同時にその
ザビエルを日本から迎えに行った弥次郎という人の像もあった。そんなこんな
のもろもろが頭の中にあったとき、図書館に行ったらたまたまこの本があった
んで読むことにしたのだ。
ザビエルってバスク人だった。フランスとスペインの国境あたりに昔、バスク
人の国、ナバラ王国というのがあって、その国の貴族の息子だったのだ。
紀行文は、両国の間にあって、どちらの風土とも違う独自の文化と言語を守っ
てきたバスク人の土地を訪れる事から始まる。
バスク出身で日本に住んでいたカンドウ神父の著書をたどりながら日本との関
連を訪ね、バスクの人と風土の独自性に触れていく。
そして、ザビエルが生まれ育ったザビエル城を訪れる。
このあたりの描写はいいなあ。是非行ってみたいという気になる。
フランシスコ・ロヨラの足跡、日本からの少年使節団の足跡、いろんな繋がり
を辿っていくから面白い。
スペインとオランダで地図上のアジアのどこかに線を引いて、勝手に領土をわ
けあったという時代もあったのだそうだ。
時代は変わっていく。
リスボン特急ってたった2両の寂しい列車なんやって。
これも乗ってみたい。
旅心をくすぐる本であった。
立松和平、「良寛」
良寛という人に興味はあったけど、殆ど根拠の無い漠然としたイメージだけや
ったんで一回ちゃんと読んでみたいと思っていた。
高潔な禅僧。子どもと無邪気に遊ぶ人。漢詩がうまい。名前だけは超有名。
こんな程度のイメージだった。
読んだ後も特にイメージは変わらないんやけど未知の部分がいろいろわかった。
長岡、出雲崎の生まれ、庄屋の跡継ぎに生まれるが出家する。
道元禅師を慕い、ひたすら座禅修行をする暮らしを送る。
内省的、ストイックな暮らしをしていたらしいが何故か子どもに好かれ、子ど
もと遊ぶことを好んだ。
修行者の一つの形なんやろけど、ひたすら自分の内部を見つめると言う修行か
らは世の人々に対する貢献とか後世の追随者にたいする何かというのは特に見
えへんかった。ようわからんままの人やった。
寒山十得みたいな人なんかなあ。
但し、詩はすごいと思う。
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春夜の宴
此の夕べ風光稍和調し
梅花簾に当たり月半規
主人興に乗じて瑶席を開き
坐客毫(ふで)を含んで清池に臨む
十年の孤舟江湖の夢
一夜洞房琴酒の期
他日相思して能く記得するや
十字街頭の窮乞児を
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昨日 城肆に出でて 乞食すること西又東
肩は痩せて嚢の重きを知り
衣は単にして霜の濃きを知る
旧友何処にか去れる
新知 相逢う少し
行きて行楽の地に到れば
松柏悲風多し
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::立松和平、「良寛」大法輪閣より。
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ありがとうございました。