ホーチミン、フエの旅ー42

Vietbam Houseで昼ご飯
席についたら窓際だった。街角の景色が見える。
男がバイクに腰掛けて暇そうにしていて時々通る人で客になりそうな人に手を挙げて
声をかけているがなかなか客はつかまらない。それでも気にしないでバイクの上に
あぐらをかいている。そこに欧米人のがっしりした体の若者がきた。
ちょっと嫌な感じだ。男は声をかける。若者は馬鹿にした感じで何か言う。
男は一生懸命喋り始めた。
「○○まで行くの、なんぼやねん?」、「▽△でどや」、「何でそんな高いんや、
すぐそこやないか?」、「○○まではそんなに近ないで、▽△は高ないで」
「ちょっとだけやから唯でいけや」、「そんなんできるかいな」
音が聞こえるはずがないが、明らかに若者は乗る気はなくてからかっているだけだ。
「そんなんせんと早よ向こうへいきゃええのに」と思うが、若者はとうとうバイクの
椅子に座って本格的にからかいはじめた。男はまだ一生懸命しゃべっている。
特別めくじらたてるような状況と違うのかもしれないけど、余り感じはよくなかった。
見下して馬鹿にしているというような態度が露骨だったからだ。
余計な事を考えている間に長くかかった料理が運ばれてきた。
もう2本目の「333(バーバーバー)」ビールだ。ワインを飲むのが普通といった
気取った店だったらしく、ベトナムビールだったらこれしか置いてないという。
ホーチミンのお土産屋街、ドンコイ通りの真ん中にあって有名な店らしく時々観光バス
が店の前に止まって、降りた客が店に入ってくる。
「しまったなあ」と思ったが、メニューをみてもそれほど高くはないからまあええと
しよう。それに絵メニューがあるから分かり易い。
料理はさつま揚げセット、ハマグリの蒸したの、野菜炒め卵焼き包の3点だ。
さつま揚げはあつあつでおいしい。殆ど日本と同じ様な味だ。
ハマグリは随分小さくなったなあ。ホーチミンの大ぶりのハマグリ蒸しが好きだったん
で頼んだけど、形が小さいと味も寂しい。卵焼きはこんなもんやけどちょっと油濃い。
向かいの席は、ベトナム人の娘さんと母親らしい二人連れだ。
仲良くワインを飲んでいる。
料理も私と似たようなものだ。二人で分けて食べている。
のどかな風景だ。
外を見たらもう若者はいなくなっていて、男が又、バイクの上であぐらをかいていた。
今日も30度を越えている。