タイ、カンボジア、アジアの原風景と街角に触れる旅ー03、カレン族の草木染

さて、それではこれから草木染を見せて貰うのだ。後でわかったことであるが、
ここは観光用にモノを作ったり、作ってるところを見せたりするところではな
いのだった。ごく普通のカレン族の人の村で草木染の伝統を伝える人が、自分
達の必要な分を作っているのを通りすがりに垣間見させていただける事になっ
たというわけなのだ。

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どこの草木染がどうやというのは分からんから知ったかぶりすら出来へんけど、
ここの草木染は糸を染めてから織るようなのだ。

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何がどの色になるかは、この人には当然ながらわかっているの。
木の皮は赤色みたいやね。

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この中に糸を漬けてぐいぐいともみこんで染み込ませる。休んではいけない。
しんどてもぐいぐいを続けんとあかんのだ。

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要するにちょっとやそっとでは染まらんのだ。まあそれは直感的にようわかる。
簡単に染まるはずがない。
十分揉み込んだら今度は煮るのだ。

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この葉っぱは何色になるんやろ。

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これもぐいぐい揉み込む。

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こっちも煮込む。
こいつは煮込んだらあかんのだ。

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時間がものえらいゆっくり流れて行く。
頭の中を切り替えんとあかん。
なあ。

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これは何や?
盆栽?

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盆栽でも見とこ。
だんだん色んな事がどうでもええようなゆるゆるな気分になってくる。
染め上がったらこんなになるんやそうや。

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できるまでその辺をぶらぶら散歩して来ようか。


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