陳舜臣、「西域余聞」
西域とかシルクロード言う言葉にあこがれて何度か中国旅行に行ったことがある。
敦煌にも行った。ウルムチ・トルファンにも行った。西安にも行った。もっとも
っと行きたいけど、今ちょっと中断している。他にも行きたいところが一杯ある
からだ。そのうち又行き始めるだろう。
これは西域をテーマにしたエッセイ集だ。西域にまつわる、しかもあまり知られ
ていないことを取り上げていて面白い。
ウルムチに行った時、ハミグヮを食べて非常においしかったけど、石榴の事を思
いつかなかった。もし大きな石榴があったんなら是非食ってみたかった。それに
洛陽に行った時も、白馬寺にその大きな実がなる石榴の木があると言うのに気が
つかんかったなあ。今でもあるのんか見に生きたい。
李白って西域の人やったんか。それも全く知らんかったし、彼の詩からは想像も
つかへんかった。そう言う目で見ると詩を鑑賞するのも又変わってくるかもしれ
ない。シルクロードがシルクだけではなくて紙の道でもあったと言うのは、前に
中野美代子と言う人の本「塔里木秘教考」で中国の紙が宗教画に使われた話がで
てきたので印象的だった。それに敦煌の遺跡を見てた時に、唐招提寺や薬師寺に
残された遺物とつながりがあるというのをはっきりと感じたけど、そういう話も
楽しく出てくる。
いろんな思い出の記憶や知識の断片が繋がって楽しい本であった。
レン・フィッシャー、「群れはなぜ同じ方向を目指すのか?」
複雑系の科学の話には昔から興味があって、この手の本を見つけるとつい読んで
しまう。これもその手の話だ。
自然界の昆虫や動物などは見事な集団行動をすることがある。まるで絶対正義の
リーダーがいて常に間違うことなく意思決定して、この集団を正しく統率してい
るかのようだ。しかし実際はそんな意思決定はどこにもなくて、個々の固体はご
く単純なルールに従っているだけだと言う。例えば側にいるものと同じ速度を保
つ、適度な距離をあけるなど。あるいはある分泌液の匂いの強い方向を選択する
などだ。ようするに集団が形成されればおのずと自己組織化を起こし、創発行動
を起こすと言うのが複雑系の理屈なのだ。こういう見方で物事を見つめれば、己
の意思決定の際に、自然や社会のなりわいから学ぶべきことは多い。
震災が起きた。列車が停まった。降りて逃げた方がいいか。車内に残った方が良
いか。お見合いをする場合、何番目の人でOKすれば人生を誤る確立が少ないか。
いろんな事を考えて面白い。
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