島村菜津、「スローフードな日本!」
こういう環境で暮らすからにはこういうものを作って食べるべきだ。
こういう歴史の中で育ってきたからには、こういうものを忘れてはいけない。
見せかけの便利さの中で失ってしまってはいけない。
戦後の食生活の大変革で我々がなくしてしまったもの、なくなりつつあるもの
がいかに多いか。
そして、「それではいかん」と頑張っている人も多いのだ。
合鴨を田に飼う事で農薬を使ったり、田の草取をしたりする必要がなくなった。
稲が強くなった。めだかが死ななくてすむ。
生態系がきちんとできた。
この本を読んで、先日雲南省元陽の棚田を見に行った。
田には、鴨がおよいでいた。
こういう生態系を大事にしようよ。
大井玄、「痴呆老人は何を見ているか」
「我々は皆、程度の異なる『痴呆』である」
その通りだ。最近とみに自覚している。
読んでいると、いろいろ身につまされる話だ。
母がグループホームに入ってもうかなりの時間が立つ。
「ごく近くのことはよく覚えていて、昔のことは記憶が飛んでいる」
「ずっと昔の事は、又、明確に覚えている」
そういう記憶の抜け方をしていくのだ。
そして、いまの記憶のなかで必死につじつまをあわせて生きていこうとしている。
こちらが変に気が咎めて、時々連れて帰えろうとすると、
こういう変化に対しておおきな混乱をおこす。
こういう話を科学的に分析して丁寧に説明している。
いろんなところで納得できる。
そしてやっぱり悲しくなる。
こうやって、どこへ行ってしまうんだろう。
私もこんなになって行くんだろうか。
結構辛いね。
毎週火曜は、最近夢中で読んだ本の話です。