松谷武判と言う人の展覧会を昨年も見に行った。今年も案内を頂いたので又行
くのだ。この方、実はちょっとした事情で存じ上げてる。
まあそれはいいとして、今回は芦屋市立美術館というところでやっていた。
「コレクション版画展 菅井汲/松谷武判」と言うやつだ。
芦屋市美術館て電車で行けば簡単そうやけど車で行くと意外と難しい。
近くまで来てるはずやのに、ナビはあっちへ曲がれこっちへ曲がれとせわしな
い。一方通行が多いのだ。やっと着いた。
抽象アートはあまり分からないし、それほど好きではないが、この方の作品は
見に行く。墨ではないが、鉛筆の黒のぬめっとした光沢がいい味になっていて、
墨のにじみとは又違った世界を創り上げているのに興味を惹かれるのだ。
ぬめっとしてぽってりしたところが時には躍動感があり、時には艶めかしい。
こんかいは入り口正面の、イベントで創ったらしい作品以外は、以前からのコ
レクションらしい。
作品をみながら抽象画を描くってどやねん?具象画を描くってどやねん?
いろいろ考えた。
他人の描く画をどうこういうのは簡単やけど、自分で納得の行く画を描くのは
難しい。
美術館の向かい側に瀟洒な建物がある。
「谷崎潤一郎記念館」とある。
こんなとこにも谷崎ゆかりの建物があったのか。「倚松庵」にも行きたいと思
いながら行けてないんでちょうどええ。
谷崎と言えばこないだジョン・アップダイクを読んだ時、その書評の中に「武
州公秘話」と言うのが出てきた。こんな本を外国人が読んでいるのかと言うの
とこんな本まで翻訳されているのかと言うのと両方で驚いた。それで全集を取
り出して見たら、この中には吉野葛やら葦刈、春琴抄などすごいやつが一杯入
ってる。中に「紀伊ノ国ノ狐、漆掻キに憑ク語」と言うのがあったので興味を
惹かれて読んでみた。
漆掻きという仕事があったのか?山の中で漆の木を見つけて傷を入れる。それ
でじわっと滲みだしてきた樹液を竹の筒に入れて集める。そんな仕事やから、
山の中で一人になることがある。ある時、どうも狐に憑かれたような気がした。
そんな男の話。狐の仲間が、「いこら、いこら」(懐かしい。和歌山弁やね。)
と遊びに誘いに来る。がたろ(かっぱ)も川の中に引きずり込もうとする。
こんな話でも文豪の手にかかると息を呑むようだ。
紀州や吉野にまつわる話も沢山ある。
時にはじっくり読んでみよう。
ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村
ありがとうございました。