前の雲南の旅行に行く前に、旅行中に読む本を物色しようと本屋をぶらぶらしていた。
たまたま、文芸月刊誌のコーナーのところを通りかかった。
「最近こういう本を読んでないなあ」とふと思った。
もう何十年も読んでないかもしれない。
「たまには読んでみようか」と思い、「文学界」と「群像」を買った。
ちょうどあの旅の間に全部読む事ができたので分量的にはちょうどよかった。
内容も面白い。
やはり、いまが旬の作家たちの、切れ味の鋭い小説が載っている。
毎月おいかけるはしんどいが、こうしてたまに読むのは新鮮で興奮する。
「文学界」(この時は5月号)の創作特集は全て読んだ。
「イーストウッドは死なず」というクリント・イーストウッドの最新映画に関する対談もおもしろかった。
これを読んだので、「グラン・トリノ」を見に行ってしまったのかもしれない。
「群像」に載っていた「ノンバルディア遠景」もすばらしかった。
「実際の風景、心の風景、こういう風に切り取ってみせるのか」と読みながら
考えていたのは昆明の空港の時間待ちの時だった。
どこの国でもそうだが、私は空港には余裕を持って行った方がいいと思っている。
待つ時間が多いのはかなわんが、不測の事態も結構多いのだ。
ゲートの変更や出発の遅れくらいはまだいいが、キャンセルになったら、
必死で代替手段を考えないといけない。キャンセルした側がすべて面倒みてくれる
わけではない。大体手段が殆どない場合もある。
そういう意味では時間が多い方が選択肢が広がる。
そういうわけでいつも早い目に空港にいくから、時間のつぶし方が課題になる。
マッサージをする。酒を飲む。パソコンをやる。おしゃべりする。本を読む。
マッサージがあれば一番いいが、それは少ない。
やはり読む本を準備しておくのが大事な事だ。
毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。