少々前になるが、ある昼下がり、たまたま天神橋5丁目あたりを通りかかった
ので、何か美味しいものを食べようと考えた。
「そう言えばこのあたりに辛い中国料理を食べさせる店があったはずだ」
と記憶を頼りに歩いてみたが、なかなか見つからない。思っていたよりも
更に先の方にあったのだ。
それでも、やっと発見。
店に入ったとたんにあの「麻辣」の懐かしい匂いが鼻を打つ。
「これや」と思わずニンマリした。
「何にします?」と言う事で、
「麻婆豆腐」、「一番辛くして欲しい」と言うと、
「一番辛いのは滅茶苦茶からいですよ。いいんですか?」と言う。
「大丈夫。辛いのは大好きやから」、「それに中国によく行って、
滅茶辛いの食べてるから大丈夫や」と元気よく答えた。
「そんなに辛いのが好きなら、他にもっと辛い料理ありますよ」
と言ってくる。「今日は麻婆豆腐を食べたい気分なんや」と言って
期待して待っていた。
「来た。来た」確かに辛いが、麻の味はもう一つだ。
後でそう言うと、最初から山椒が好きと言ってくれたら山椒を多くしたのに
との事だった。全体に味は悪くないし、辛さも日本では十分だろう。
ちょっと化学調味料の味がしたのは残念だが、美味しい店であった。
「双龍居」という店だ。
食べ終わって、煙草を一服つけようとしたら、隣の客から、
「今から私が食べるところやから、遠慮してくれませんか」と厳しげに
言われた。
さっき店の人に聞いたら、「吸っていい」って言ったし、灰皿もあるし、
とちょっとだけ割り切れない気持ちだ。
「禁煙席ならわかるけどなあ」、「禁煙の店に行ったら」とか
いろいろ思ったが、迷惑はかけてるんやろし、意地でも吸いたいというわけでも
ないから、すぐ火を消して表に出た。
こういうやりとり難しいね。