中沢新一、「大阪アースダイバー」
この本、異色のタイプだ。ものすごく面白い。興味深い。読んでてわくわくす
る。大阪を上空から見て、地形を見ながら古代の地形を想像してその視点から
歴史を考えていくのだ。
文楽なんかを見ていたら、拍子木がちょーんと鳴って、「東西、東~西~・・」
って言いながら黒ずくめが消えていくんやけど、大阪では東西という方向軸が
重要なのだそうだ。話はここから始まる。
仁徳御陵の辺りから生駒山を通る軸線だ。昔そのまま明日香の方まで一直線の太
陽の道みたいな話を聞いた事がある。いろんな話が同じようなところに行き着く
のだ。それに直角にに交わる南北の線が上町台地だ。大昔は生駒のすぐ下の方ま
で海が来ていて、上町台地は難波の宮があるところから四天王寺のあたりまでの
南北の軸線あたりだけが陸地だったそうだ。そこにだんだんと土が運ばれて人が
住むようになった。生駒の麓には縄文人、海からは渡来人や南海の民、そういう
人たちが融合して住むようになった。
日本には古来から3種のDNAが融合して共存してきたという話とも符号する。
そして生駒の麓に古墳をつくり、上町台地の南の方に古墳を作った。昔の古墳は
磨いた石版で覆われていて遠くから見てもぴかぴか輝いていたのだそうだ。海外
から渡来する人にヤマトの文化を誇っていたのだそうだ。
そういえば、堺から羽曳野を通って、奈良に抜ける道の山肌にはびっしりとビニ
ールハウスがあってきらきら光ってるけどあんな感じのでかいやつやったんかも
しれん。
おもろいけどずずっと飛ばして、
千日前のあたり明治維新までは処刑場だったらしい。
ミナミの歓楽街は処刑された人たちの怨霊がつどうところだったのだ。
そういうところに夜の歓楽街ができるのは自然の流れなのだそうだ。
セックスと死は深く結びついているのだと言う。
それはどうかはわからんけどこういう見方で見ていくとなるほどと思えることが
沢山ある。
図書館で借りて一気に読んでしまったけど、結局、アマゾンに注文してしまった。
イタロ・カルヴィーノ、「マルコ・ポーロの見えない都市」
マルコ・ポーロが訪れた国々をフビライ・ハーンに語って聞かせていく。
まるで本当にあったかのような話だ。
しかし、どの都市も実際には存在しないのだ。
ありそうで無い都市の話。住んでいそうで存在しない人々の話。
・・・・・
連続都市
・・・
レオーニアの繁栄は、むしろ毎日捨てては新しいものと取り替えられる品物の
量によって測られるのでございます。・・レオーニアの真の情熱は人々の言う
ように本当に新しいさまざまの品物を愉しむことにあるのか、それともむしろ
くり返しあらわれる不純を追放し、遠ざけ、浄化しようという点にあるのでは
ないかと疑われるほどでございます。確かなことは、清掃人夫は天使のように
歓迎されているということでございまして
・・・:[本文中より引用]
わかるようなわからんような。
シュールなような。それでいて面白い。不思議な気持ちにさせてくれる本だ。
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ありがとうございました。