最近、巷に龍のポスターがよく貼られている。
あれは曽我蕭白ちゃうやろか?
大阪市立美術館の「ボストン美術館展」のポスターだ。「ボストン美術館展」
で龍と言えば曽我蕭白やから間違いない。これは絶対見たい。
ボストンと言えばもう相当前になるが一回行った事がある。
MITとかハーバード大学とかがある静かで落ち着いた街だったような記憶があ
る。海が近いんで海鮮ものも美味かったしボストンビールも美味かった。もち
ろんボストン美術館も行ったけどあんまり日本美術は展示してなかった。沢山
あると聞いていたのでえらい渋ってるなあと残念に思った。
多分、明治維新の頃、岡倉天心なんかの仲介でフェノロサ達が日本のお宝を一
杯買って帰ったのだ。海外流出は残念やけど向こうに行ってるということで消
失や焼失を免れたいい面もある。そのおかげで今こうして見れると言うのも複
雑やけどありがたい。
曽我蕭白は奇想の画家とか言われて、一見けったいな画に見える。
気持ち悪いとさえ言える画もある。
しかしよう見たらすごいのだ。その超絶技巧がすばらしいのと、この世ならぬ
ものを見つめているような深い静かな哀しみのようなものが漂っている画が多
いように思う。
何かをつきつめてそのあげくに現れ出た画のようだ。
しかもどこかにユーモアがある。
そういうものが渾然一体となった不思議な魅力空間が漂うのだ。
さすが目玉の「雲竜図」の迫力はすごい。壁面一杯に龍がぐわっと横たわって
いる。この大きさでまだ数メートルが欠けているというから揃ったらどうなん
のやと思う。この雲竜に囲まれた部屋の真ん中に実際に立ったらすごいやろな
あと思う。しかもその顔はどこかユーモラスだ。愛くるしくさえ思えるではな
いか。それが余計存在感をましている。
もうひとつの優れものが「龐居士・霊昭女図屏風(見立久米仙人)」だ。
画集で見てるときは凄いテクニックの画やけどちょっと気持ち悪いなあって思
ったりしてたけど、現物を見るとそんな事はまったくない。
墨色が綺麗で明るい、空間感を感じる画だ。
屏風を立てて見ているので立体感が感じられて更にいいと思う。
この発想、この構図、好きやなあ。
他にもいい画が一杯ある。
何時間でもいてたいくらいなのだ。
今は高いものを買って近場で遊ぶのがはやりやそうやから、こんなところを訪
れるのもいいのではないだろうか。
わしは展示が変わったら又行きたい。
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ありがとうございました。