ジョン・アップダイク、「アップダイクと私」
アップダイク自身のアップダイク本という変わったタイトルの本である。
しかし、内容は全く変わったものではない。アップダイクのエッセイや書評を
集めたものだ。それにしてもこの作家の饒舌たるやすごいものだ。
漫画から始まって、ゴルフや野球、映画、トランプ、延々と語りまくる。
さらっとではない。かなりねちっこく饒舌だ。
この人のうさぎシリーズは面白かった。やっぱり巨匠やね。
書評になるともっとすごい。
『見えない都市』、マルコポーロの話か。読んで見たい。
『アクシデンタル・ツーリスト』、この本、ものすごく興味がある。
『ドリス・デイ──その半生を語る』映画の知識がすごい。
『武州公秘話』日本文学にもこんなに造詣があるとは。しかも谷崎のこんな作
品まで知っている。実に妖しい世界なのに。
『海辺のカフカ』、なるほど。
これで又読まないといけない本が増えてしまった。
星 亮一、「満州歴史街道」
中国東北地方、昔の満州あたり、今の大連や瀋陽、長春、ハルピンなどなど、
そういう都市をノスタルジックに旅する話なんかなと思って読み始めた。
そんなあまい話ではなかった。
あの悲しい対戦中に日本人が何をしたか、何をされたかと言うことを満州路を
たどりながら掘り起こしていく話だ。
日本人がやってきたことから目をそむけてはいけないし、無かったことにも出
来ない。きちんと考える必要がある。
十分かどうかは別にしても、今まででもいろんな取り組みがあった。
しかし終戦、日本の敗戦のどさくさでソ連軍が行った非人道的な行為はもしか
したら風化しつつあるのかもしれない。それも忘れてはいけない大事な事だ。
前に終戦時に起こった樺太の悲劇を描いた「氷雪の門」と言う映画を見たこと
がある。同じような話だ。
しんどいけどしっかり読んでしっかり考えなければいけない。
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ありがとうございました。