東北、奥の細道の旅-10 山寺へ

この駅は小さな駅やから列車を待つのは寂しいし寒い。
かなり待って上りが来た。しばらくしてやっと下りが来た。
列車の中は暖かい。窓の外は雪だらけ。だんだん心配になってきた。本格的な
雪道歩きの準備はしてないぞ。
作並から山寺まではすぐだ。3つ目だ。
山の中なんやし山寺というだけに小さな無人駅を想像してたらえらい違いだ。
作並よりはかなり大きな駅だ。
駅のホームから正面に山寺が見える。

あれなんか。かなり登らんとあかんなあ。
でもなかなか風情がありそうだ。ええ感じやないやろか。

しかしここまで来てはっきりわかった。

こんなに雪があるやないか。

こんな状態ではアイゼンなしで登れそうにない。
実はここに来る前にテレビ番組で女優が山寺を訪れるやつを見た事があるのだ。
それによると確かに雪があるけどロープがたれてたりしてキャーキャーいいな
がらもそれにつかまってよじ登ってた。やっぱり観光地やから準備できてんや
わ。アイゼンなしでもだいじょうぶやでと勝手に決めていた。その上手袋まで
忘れてきた。
えらいこっちゃ。
それで駅前の商店街をうろうろしてええもん売ってないかと探し回る。
まずアイゼンが第一だ。
そこそこ人家も見せもあるそれなりの大きさの町に見える。
しかしアイゼンなんか売ってへん。これが大阪なんかやったら絶対忘れたやつ
相手に売ったろって考えるやつがいてるけどなあと思う。
しかしない。
手袋を売ってる店はあった。雑貨屋さんみたいなとこだ。買ったついでにアイ
ゼン売ってるとこないか聞く。そんなとこないよという答え。
うろうろするうちに登り口近くまできた。

ますますやばそうやんか。ほんまあかんで。
ええい。ままよ。行ってまえ。
時々そんな人に出会う。その人たちもアイゼンなかったら無理やでと言われて
いる。
まあしゃあない行けるとこまで行ってみよう。

まず立石寺の本堂にお参りしよう。


より大きな地図で 立石寺本堂 を表示

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