女義太夫、「日高川入相花王 渡し場の段」を聞いた

京都大学で環ONという催しがあって、定期的に映画鑑賞などをやっていると言
う事であるが、その一環として年に1度程度女義太夫を鑑賞する会があると言
うので参加させていただいた。昨年は「三十三間堂棟由来」と言うのを聞かせ
て頂いた。今年はまだなんかなあと楽しみにしていたら案内が来たので喜んで
京都大学に向かった。
今回の出し物は「日高川入相花王 渡し場の段」と言う事だ。題から想像する
に安珍、清姫の道成寺説話にまつわる話なんやろう、私は子供の頃、和歌山の
御坊に2年ほど住んでいたことがあるんでその話はよう聞いて知っている。あ
れかあれかとすぐに大蛇と釣鐘が浮かんでくる。
さて、今回も上品で美しい先生が丁寧に解説をしてくれるところからスタート
だ。平日夕刻からの催しではあるが会場は超満員、前回を上回る来場者で熱気
がむんむんしている。マイナーともいえる芸能に人気が集まるのは喜ばしい事
ではないか。
さて、定刻になった。太夫と三味線の登場だ。
夜半時というのに、うら若い女がただ1人日高川の渡し場に現れる。
愛しい恋人を追う清姫なのだ。
ごうごうと流れる大きな川は舟がなければ渡れない。
焦る清姫が船頭をたたき起こして渡してたもれとすがりつく。

いぢわるな船頭は知らん顔、
挙句の果てはとっとと帰れと怒鳴り始めた。
困り果てた清姫、男を想う気持ちは高まるばかり、太夫も声を張り上げる。
とうとう女の一念が身を焦がし紅蓮の炎となって立ち上がる。
何としても川を渡らねばとみるみる大蛇となって・・・

太夫は清姫が乗り移ったかのように大熱演だ。
三味線との息もぴったり、絶好調で幕を閉じた。

なかなかいい演目で楽しかった。
しかし、本来の日高川入相花王の筋書きから言うとこの場面はどこか違和感が
あるような気がしてならない。その筋書きはおいといてここだけ道成寺話にな
りかわってる。ようわからんけどまあええか。

こういう催しが沢山あって上方芸能がどんどん元気になってくれたら嬉しい。

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ありがとうございました。