忠岡町、「正木美術館」で墨梅を見る

泉南の方、忠岡町と言うところに「正木美術館」と言うのがあるそうだ。
私は堺に住んでるからそう遠いとこではない。今回は早春展と言うことで墨梅
画の特集をしているようだ。教えてくれた人の表現ではかなりええものが見ら
れそうなんで行って見たいと思った。
直線距離にすれば遠くはないが電車でいくとそれなりに時間がかかる。南海電
車の高野線沿線と本線沿線の違いがある。一旦天下茶屋まで行って折り返さな
いといけないのだ。それで急行で和泉大津まで行って各停に乗り換え次ぎの駅
だ。ここまで来ると大阪もちょっとした郊外、あるいは田舎ともいえるところ
も見られるくらいだ。春まだきの寒空やけどいつもと違う散歩道を歩いて、画
の上だけでも梅の香りを楽しんでみよう。
地図をたよりに駅から左にでて右に曲がって・・・・? 何か感じが違う。お
かしいな地図を見直すとこれは反対に見てるんやなあとわかった。踏み切りを
渡って駅の西側に出る。もうちょっと行って国道まででたら右にまがってしば
らく歩くのだ。二つ目の信号を曲がったところに忠岡神社があったから今度は
間違いない。神社の前の道を左方向にまっすぐ進む。
もう着いてもええ頃やけどと思っても、まだ着かない。
かなり歩いたなと思う頃それらしい玄関に着いた。
「こんとこにあったか」

と余裕気味に写真をとってたら、「れれれ・・・・?」事務員の人が出てきて
門を閉め始めた。
「まさか」と時計を見る。16時3分前くらいだ。
「もう終わりですか?」と聞く。「ええ、16時閉館です。チケット販売は
15時半終了ですよ」と言われる。
「しまった」ちゃんと調べてくればよかった。いろいろ勝手に手はずを決めて
余裕しゃくしゃくで歩いてきた気分がふっ飛んでしまった。
おろおろして、「何とかなりませんか?」と頼んで見る。困った顔をした事務
の人が電話で問い合わせをしてくれて、16時半までならと無理に見せてくれ
ることになった。
「ありがたい」しかし恥ずかしい。確かに好意で見せてくれることにはなった
けどこんな事頼むやつは最低やなあって思った。今度からこんな事絶対やって
はならない事やと頭の中は反省で一杯。
とぼとぼとしかし焦りつつ見て回った。
「すごいなあ」水墨で描かれた梅の画が並んでいる。
墨色の中から高雅な梅の香りと気品が立ち上がってくるかのようだ。
細い枝のびしっとしたしなりが美しい。
秀逸は元の時代の王べん?と言う人が描いた墨梅図、やはり花鳥だけでなく水
墨画の全ての基本は宋、元の時代にあるのだと杭州で教えられたとおりなのだ。
書もすごい。こないだから追いかけてた一休宗純の書もある。
奥の部屋に回ると、明治の女流水墨画家、橋本青江という人の岡本梅林図とい
うのがあった。こういう画家がいたというのも知らなかったし、岡本あたりに
こんな梅林があったと言うのもしらなかった。しかし中国以来の伝統的な技法
を使った正統的は水墨画ですばらしい。非常に勉強になる。こんな人が大阪に
住んでいたなんて嬉しくなるではないか。岡本梅林、今でもあるそうやから一
回行ってスケッチせんとあかんなあと思った。
2階に上がると仙崖があった。天神さんの洒脱な画だ。
泉南の地にもこういう画を集める風雅の心を持ったお金持ちが多かったんやな
あ。来てよかった。ええ勉強をさせてもらった。
しかし、こんな真似は二度としないようにしよう。
正木美術館の方、ごめんなさい。


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