女浄瑠璃、「三十三間堂棟由来」を聞く

京都大学で「環On」という集まりがあって、映画や女浄瑠璃を紹介していると聞いた。
開かれた催しで、参加無料、申し込み不要という有難い話だ。
それで当日京大へ。
出町柳から東にすこし、百万遍まで来た。目の前が京大だ。
「えらいすぐやなあ。早よ来すぎた」と喫茶店で時間つぶし。ええ時間になって構内に入る。
それで初めて地図を見る。わからん! あせってうろうろする。わからん!
仕方ないから、歩いている人に聞く。「すみません。私らここの学生ちゃうんで・・」
仕方ない。建物に入って聞く。「もっと向こうの、南キャンパスですよ。・・」
やっぱり、天下の京都大学。広いわ! 焦って歩いて、定刻ぎりぎりに到着。

最初は、綺麗で上品な先生から、この出し物の詳しい解説がある。
物語りの説明、由来の説明、歴史的背景の説明・・・
なるほど、成る程。実に勉強になる。
ナギの木が男になり、ヤナギの木が女になる。
二人に生まれた子が緑丸だ。
後白河法皇と熊野信仰と三十三間堂。平忠盛まで関係すると今の大河ドラマの世界にも
つながるではないか。
バックグラウンドが十分わかって上演を聞くと分かり易い。

さて、三味線と太夫が登場して上演の時間が来た。
女流義太夫の世界で、長く活躍されている著名な方だという説明があった。
最初はざわざわと観客が紙をめくる音がやかましく、集中できなかったが、
段々と太夫の声に惹きつけられていく。
人の世ならぬ世界と人の世が交錯する。
別れと出会い。
ふりしぼるような声で、哀しい世界が立ちあがってくる。
さすがプロの技だ。

gidayu120310

浄瑠璃ってええなあ。
文楽をたまに見に行って、ええなあと思っていたが素浄瑠璃を聞くのは初めてだ。
と思って、よく考えたら初めてではなかった。
昔、子供の頃、田舎からお婆ちゃんが訪ねてきた時に、親は何故か私にお婆ちゃんの
アテンドを押し付けた。その頃、娯楽といったらドサまわりの興行相撲か公民館での
浄瑠璃、浪花節だ。しかたないからずいぶん付き合った。
そのころはいやでいやでしょうがなかったが、今はええなあと思って聞いているの
だから不思議なものだ。
年をとると嗜好が変るということもあるが、昔はこういうことも庶民の文化の中に
あったということも感慨深い。

京都大学で市民に開かれたこういう催しをやってくれる人たちがいるのもありがたい。
今度は映画の会も行かなくては。

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ありがとうございました。