最近読んだ本、「ブエノスアイレス食堂」、「旅で眠りたい」

  • 2012年1月11日
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カルロス・バルマセーダ、「ブエノスアイレス食堂」
名前につられて読み始めた。ブエノスアイレス食堂、何か響きがいいではないか。
南米の果て、ブエノスアイレス、大都会の場末に小さな食堂があって、毎日、見てくれは
悪いが信じられないほど美味いモノを食わせる料理人がいて・・・・
こんなことを想像していた。
ある意味そう外れてはいない。
が、実はもっと壮大だ。
幻の、「南海の料理指南書」なるものが登場する。
戦乱のスペインから流れ流れてたどり着いたブエノスアイレス、マル・デル・プラタに
レストランを開いたのは、後に天才料理人と言われた、ルチアーノ、ルドビーコの
カリオストロ兄弟だ。
彼らの残した、「南海の料理指南書」とレストランは世界大戦の混乱の中で、数奇な
運命をたどっていく。
しかし、代々の料理人が産み出す料理はすばらしいものばかりだ。
・・・・
バカラオ鱈のビスカヤ風
胡椒をまぶしたバカラオ一切れ、短冊切りにしたタマネギ、ニンニクをひとかけ丸ごと、
茹でて鉢で潰した卵の黄身、植物油で焼いて出たバカラオの焼き汁、
これを弱火でとろとろと焼いていると、そのうち魚の切り身はシェフの腕前に音をあげて
一丁あがりだ。
・・・・
舌平目のルチアーノ、オレンジとローズマリーのソース
三枚におろして塩胡椒した舌平目をオリーブ油で焼き、すぐにフライパンでオレンジの
果汁に漬け、焦げ目がつきそうになるまえ火にかける。ローズマリーの葉とひとつまみの
黒胡椒を加え、それをサフランで色づけした白米とともに盛り付ける。
・・・
こんな感じだ。
ほんまにおいしかどうかはようわからんけどね。
しかし、こんな話だけならそれなりに楽しいが、この中にもっとどす黒い話が混ざってくる。
カニバリズムにとりつかれた赤子の話だ。
いくらなんでもこの部分は読んでて嫌になる。

hon120111-1

蔵前仁一、「旅で眠りたい」
日本からアフリカを目指して、アジアの国々をめぐりながらゆるゆると旅をする話だ。
ご夫婦二人で放浪ともいえる旅だ。
金子光晴のように頽廃的、文学的ではないが、あてどもなさでは似たようなものかも
しれない。
最初は沖縄から台湾を目指す。香港に渡り、当時入りにくかったラオスを狙う。
何時次の国へ、どんなタイミングで・・何も決めていない旅だ。
ラオスに入れずにタイに向かう。
そこからインド。インドで凄まじい経験をしてパキスタンへ。
そこからイランに行き、トルコに向かう。
私がしたい旅とはちょっと違うが、すごい旅のプロだ。
プロのバックパッカーってこんなんなんやろね。
行きたいところが又沢山増えた。

hon120111-2

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