最近読んだ本、「アフガン山岳戦従軍記」、「エレキ源内殺しからくり」

  • 2011年12月4日
  • 2人
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恵谷治、「アフガン山岳戦従軍記」
アフガニスタンに関連して起こるいろんな事件について漫然とニュースを見たり
読んだりしていると、つい、悪もんはこないだ殺されたオサマ・ビンラディンやタリバンで
ええもんはアメリカや欧米が援助している政府側やと単純に図式化して考えているなあと
思う。しかし何となくもっと深いモノがありそうだ。
とことん理解したいわけでもないが、この本の表紙を見てちびっとだけ興味が湧いたので
読んでみた。
最近の戦争の話ではない。ソビエトからの解放戦争の頃の話だが、こういう時代、あるいは
もっと前の時代からの様々な問題がずっと尾をひいて今に至っているというのがよくわかる。
何で、オサマ・ビンラディンがパキスタンにいたのか?何でパキスタンの人とタリバンの人と
仲がいいのか?
国境は後から引かれたもので、もともといろんな部族の集合体であったのだ。
アフガンの山岳のあちこちに拠点をもつ様々な部族の争い。
それに加えて、インド+イギリスが南からソビエトが北からやってきて利権をむさぼろうとする。
更に反ソビエト侵攻と言う形でアメリカがやってくる。
それに宗教がからむ。
誰と誰が敵だったのか見方だったのか?
本当に民衆の幸せの為に動いているのは誰なのかよくわからないような今の状況の裏側の
一部の背景が少しだけわかったような気がした。
もっといろんな事を知らないといけない。

hon111202-1

米村圭伍、「エレキ源内殺しからくり」
元技術屋でサスペンスファンの私としては、こういう題の表紙を見てしまうとつい読みたくなる。
大分前に別の作者だが江戸のからくり師の話を読んだ事がある。
超絶技巧の錠前師や人形師などの話だ。
似たような話かなと期待したが、平賀源内が西洋のモノの真似をして作った超高圧の静電気を起こして
電気治療をする機械の話だった。
源内は多才な人でこの本にでてくるような鉱山開発もやっているし、医学者のようでもあるし、
浄瑠璃を書いたり、はては春本まで書いているのだ。
思うに才能はすごかったのだろうが人格も相当に奇矯でエキセントリックな変りものだったような
気もする。その分きっとすごく面白く興味深い人だったろう。そういうすごさが垣間見えないことも
ないが、もうちょっとメインで描いて欲しかったなあと思った。

hon111202-2

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