さて念願のうらしまで中華そばを食べた後、又JRに乗って粉河まで行った。
もうイベントが始まっていた。
10数人の外国人に対して何組かに分けて、生け華やお茶や陶芸、書などの日本文化を
順番に紹介すると同時に体験してもらっているのだ。
「どんなんかな?」と最初は興味本位であれこれと順番に遠くから見ていた。
そのうち分かった。
「この人達すごいわ!!」
外国人達のことではない。教えている人達だけのことではない。
この場の空気を創っている人達のことだ。
どの程度の専門家かはわからないが、華を生けたり、陶芸の轆轤をこねたり、お茶の
お手前の作法をしたり、書を書いたりとそれぞれの専門のことを英語で丁寧に説明して
今度は自分でやれるように手ほどきしている。確かに英語が上手で慣れている。
説明もうまい。
しかし、よくあるように一定の入門コースメニューみたいなのを作って、それに従って
手際良く教えているという風にはとても思えないのだ。むしろ、ものすごくアバウトな、
殆ど何も決めてないほどの枠組みの中で思いつくままに、事態のながれるままに舵を
とって進めているだけのようにすら見えるのだ。
そしてそれを心から楽しんでいるように見える。
だからボランティアで一定の責務を果たしているというよりは、その場を楽しみながら
それを自分の磁力とエネルギーに換えていっているようなものすごくポジティブで
アクティブなものをぐわっと浴びせられたようで思わずたじたじとなりながら、
いったいこの元気はどこから来るんだろうと感動してしまった。
「地方都市の英語ができる有志の集まり」的なレベルを遥かに超えて、自分達の生活の
なかで心から楽しんでおられるようなコミュニティができているように思えた。
外国語で外国人に自分達の文化を語っていると熱くなっていけるというのはよくわかる。
そういう時に語るに足る力を持っている事と、知識を持っている事が大事になる。
「お前はどうなんや」とおのれに聞けば、答えるのも恥ずかしい。
えらい勉強になった。
えらいパワーをもらった。
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