「一番辛いのってどれくらい?」と聞くと、店主はちょっといぶかしげな眼をした後、
「上限はありません。できるだけの事はやらしてもらいます」と言って、密かに
なみなみならぬ自信を自らに確認しているようであった。
それから、ちょっと値踏みするように私を見て、「初めてやったら、10カラ位に
しときはったらどうですか?」と言った。
何の自信も根拠もない私は、「じゃあ、10カラでお願いします」とへこんでしまった。
食べログを見ていると、北浜に超激辛のカレー屋さんがあると言う。
いつも行列が絶えないと言う。
12時に開くというが、実際に何時開くかはその日にならないと分からないと言う事で
は1時を過ぎることもあり、2時になる事すらあると言う。
しかし、それだけ待つ価値がある味だと言う。
となると、行って見たくなるではないか。
こんな風に考えた。
1時、2時になると言うても12時と標榜してるかぎりは普通は12時に開くんだろう。
それなら、一回り終わった1時くらいに行くと、もしかしたら列は少なくなっている
かもしれない。
それで着いたのは1時少し過ぎ。
「ありゃ、えらい並んでる」目算は外れて、私の前に13人もいるのだ。
「しゃあないから並らぼ」と列についたが、どうも様子がおかしい。
「ひょっとしたらまだ開いてへんのちゃうやろか?」、どうやらそうらしい。
それなら逆にラッキーだ。運よくもうすぐ開くかもしれない。待ち時間が減ったのだ。
待っている間に2名減った。
その少し後、1時20分頃に開いた。1回で入れるのは10人みたいだ。ところが前の
2人連れが、「一緒に食べたいので先にどうぞ」と言ってくれた。
「ありがとう」、これもラッキーで1順目にカウンターの1番後ろに入れてしまった。
フライパンは3つだ。ということは一度に出来るのは3人分と言う事。
丁寧でやさしい物腰の男性店主が、あちらの寸胴、こちらの寸胴、そっちの鍋と
かねて用意の仕込みの品々を、あせらないがよどみなく、せかせかではなく
的確にフライパンの中に合わせこんでいく。
と思うとすかさず振り返ってこちらのまな板の上で野菜を刻んでは、フライパンに入れて行く。
当然のことながら全ての手順が頭の中に入っているのだ。迷いがない。
香辛料の美味しい匂いが立ち込めている。
最初の三人の分ができた。
と思ったら、同じ注文があってそれを一つのフライパンで一緒に作ったらしく。一気に
4人分ができた。ということは私は3順目に食べられるということになる。
それで3順目が来た時、冒頭の注文となったのだ。
「マトンと野菜のカレーを玄米で、ご飯少なめ、辛さは10カラで」という事になったのだ。
味はどうだ。
辛さは申し分ない。普通は直線的な辛さが多いのだが、ここのは面で攻撃してくるかの
ようだ。幅と厚みがある。
「ドカン、ズシン、ドカン!」だ。
野菜が多く、汁けも多く、食感がいい。
インドのカレーというよりは、ここだけの独特のスーパーカレーだ。
ルーの最後の一滴まですくいとるように丁寧にいやしく食べてしまった。
「つぎはもうちょっと辛いのにするよ」なんて言ってしまったが、これは見栄をはっただけだ。
私には10カラで十分であった。
店名 「カシミール」
ジャンル カレー専門店
住所 大阪市中央区東高麗橋6-2
電話 06-6944-8178
営業時間 12:00~売り切れ次第終了 開店時間はわからない
定休日 日曜・土曜不定休
メニュー 日本語
言語 日本語
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ありがとうございました。