映画、「未来を生きる君たちへ」を見た

「四川省、ミニSLの旅、芭石鉄道を行く」を連載中ですが、ちょっと割り込んで
映画のお話をしたいと思います。
デンマーク映画、「未来を生きる君たちへ」、これも素晴らしい映画だった。

感動して涙をながすというよりは、いろんな事を考えさせられた映画だ。

愛する母を奪った不条理に対する恨みは父親に対する反抗=復讐に向かったのか?
深層心理の中で男の子の最初の恋敵は父親だと何かの本で読んだことがあるが、
そういう。

生きて行く上では、いろんな不条理や理不尽な事が山のようにやってきて、
逃げ出したいけど向きあわないとしょうがないことが沢山ある。
しかも、勇気をだせば、死に物狂いになれば、必ず乗り越えられるというものでもない。
当たって砕ける事も多いし、無力なおのれに打ちひしがれることも多い。
誰もがかっこよく切り抜けられるわけではないのだ。
一家に一台、ジョンウエインやライフルマンが常備されているわけではないし、
月光仮面がいるわけでもない。

かっこよくなくても親とすれば、子供や家族には真剣に向き合っているところを
見せないといけない時がある。
でも、現実にはそれがまさに今だと分からないことの方が多い気がする。
後悔は後からやってくる。
それでも親子、家族と言う絆は大きな力を与えてくれるものだとも思う。

アフリカでは、日が暮れると漆黒の闇がやってくるそうだ。
そして、その闇の中にはいつも精霊がいて、死者と生者の世界が交錯しているのだそうだ。
呪術が支配する世界なのだ。
映画の中では、「愛する人が死んだ時、一瞬だけ交錯する瞬間があるんだよ」と言った話が
あったけれど、これが夜な夜な訪れるということなのだろうか。
だから死を恐れる事はないのだという。死生感が違うのだ。
そういう世界での不条理は、文明世界(どっちが?)の常識では考えられない事も
あるのではなかろうか。

映画では唯の悪者で出てきてわかりやすいけど、もっともっと複雑なこともあるのでは
ないだろうか?

とりとめないですが、いろいろ考えました。
この映画、映像がすばらしく美しいし、音楽もその映像にマッチして非常に綺麗だった。
是非、劇場でご覧になる事をお勧めします。

eiga110903

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ありがとうございました。