私は映画についてはあまり良い勘を持っていない。ネットやポスターのキャッチコピーだけ
をたよりに自分だけの考えで行くとろくなものに当たらない。
映画通の知人などから教えてもらうとやっぱり確率が高い。今回もそういうお知らせが
貰えたので行ってみたのだ。
場所は最近よく行く元町映画館ではなくて、シネマートというところだ。若者の街、アメ村の
真っ只中にある。こんな時でもないと行く機会はないだろう。
都合があって、朝一番のやつを見ることにした。10:15からだから10時前についた。
ビッグステップは11:00からでないと開いてない。「どないしょう」と思ってたら、
ここは裏口だった。
表に廻ったら映画館の入り口があると書いてある。それで上にいくと、
今日は男性のサービスデーやから男は誰でも1000円という。私はシニア料金でいつでも
1000円やから、こんなときにはかえって損をした気分になる。せこいやつだ。
これはええ映画だ。すごい。自分の力ではこういうのは見つけられない。
フィンランドのフィヨルドの海岸、誰もいない静かな海、遭難した二人は無人島に辿り着く。
いきなり美しい画になる景色だ。
それから、美しい森の奥にある収容所に着く。
時代はフィンランドの内戦の時代。
右系の白衛軍と左系の赤衛軍に分かれて血みどろの戦いの終盤期、赤衛軍が追いつめられて
いた頃の話だ。
森の中で逃げる兵士がどんどん殺されていく。
捕虜になって、どんな目にあっても信念を曲げない女兵士と
それを捕えた若者に愛が芽生えてしまった。
・・というシリアスな話だ。
しかし、シリアスなだけではない。
捕虜を裁判をする収容所には魔物がいた。
詩人でインテリの判事だ。
意味ありげなサティのピアノ曲、おいしいワインにおいしい料理、知的な会話。
屈折した男。
ぢりぢりと魔性の罠が降りて来る。
ゲーテの「魔王」の話。
悪魔がお前を連れに来る・・・
ベートーベンの7番、第2楽章・・・
おきまりの壁に覗き穴・・・
女の誘惑・・
倒錯の愛・・
若者は女を助けられるのか?何を賭けて?
判事の奥さんの妖しい眼付、ドキリとしますなあ!
ぜひ劇場でご覧あれ!
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ありがとうございました。
