時々京都遊、展覧会めぐり

水墨画の展示会をやって割と沢山の人に見ていただいて嬉しかったと言う話を
した。その時、画や書やいろんな芸術を巡って話が盛り上がる事も多かった。
そういう時、わたしも来週から展覧会なんよとかこの人の展覧会是非見てあげ
て頂戴という話がでることもある。
こういう事はお互い様だ。こちらの作品の関心をもっていただいて色んな形で
話が盛り上がったとすれば、こんどは又別の機会を提供してくださるところに
はできるだけ積極的に参加したほうがいいと思う。そういう事でいろんな世界
が広がっていくのが楽しいではないか。

そういう事で今日は、展覧会めぐりの日にしよう。
しかし暑いなあ。
寒い寒い日々が終わったと思ったらいきなり暑い暑い日が続く。けったいな気
候になってきたものだ。
まずは梅田に向かう。ヒルトンプラザにあるニコンサロンというところで、
「はじまりの島」と言う写真展があるのだ。(15日まで)
・・・
淡路島の南にある沼(ぬ)島(しま)に暮らす人たちは、『古事記』に記された
「おのごろ島」が、自分たちの島であると信じている。
・・・
と言うことでこの写真家の方は数年にわたってこの島の暮らしを追い続けてきた
のだそうだ。人々の暮らしを見る目が優しいなと思った。
神事の写真もいい。
画を描く時はこころの中のいろいろな風景をあることないことないまぜて創っ
ていくけど、写真家は、思う風景がそこの現れるまでじっとまってやんとあか
んのやと思った。えらい大変やなあ。

さて次は京都に向かおう。本日は灼熱地獄に違いない。
三条柳馬場東入ル「吉象堂」2階ギャラリーと言うところでやっている、
「蒼遊会展」(19日まで)。見に来ていただいた知人が出品している油絵の
展覧会だ。阪急四条烏丸で降りて歩き始めたら、結構遠い。京都文化博物館の
ちかくやなあと思いつつあるけどまだ届かない。YMCAがあったこの側や。
ちょうどお昼時、当番の男性の方が一人おられるだけで見学客は誰もいない。
しめしめゆっくり見れるやんか。最近油絵をじっくり見る機会は少ない。これ
もええ勉強になる。水墨の世界では、濃淡、大小、揃い具合、バランス、粗密
などなどが単調にならないよう、自然な変化に見えるよう意識的にいろいろ配
慮しないといけないことが多い。油絵の世界を見ていると、混色の過程でそう
いう配慮が自然にできていってるのかもしれんなあって思ったりした。
失敗しても塗り重ねたらええという世界はうらやましいなあ。
風景の捉え方、人物の捉え方、いろいろ参考になる画が多かった。
お茶をいただきながら当番の方とゆっくり話ができたのは楽しいことであった。

そっから、河原町丸太町まで歩いてお昼を食べてから、岡崎公園に向かう。
時間が時間だけにえらい暑い。体がじとっと汗ばんでくるのがようわかる。
京都市美術館、別館で「野のはな書展」(19日まで)と言うのがあるのだ。
おっと表の建物は閉館しているではないか。いったいどこから入ったらええん
やろ? と迷いつつ裏に回るとちゃんとあった。
中は圧巻だ。
篆書あり、隷書あり、楷書あり、行書あり、かな文字あり、前衛的な書もあり、
ようわからんけどすばらしいもんやというのがわかる。
こんなに自由自在に思たように筆を走らすことができたらどんなにええやろう。
うらやましいかぎりだ。
しかし、こんな事が自然にできたわけではなかろう。日々の研鑽の中から出て
きたものだと思うとえらいもんやなあと感心するばかりだ。
画も書も極意は同じだと言うけど極意がわかるまで先は長そうやなあ。

外に出て、岡崎公園の横を、東山三条に向かう。公園の木々は涼しそうやけど
日差しはかなわんほどきつい。
堀の向こうに藤井有鄰館の奇妙な、おもしろい建物が見えている。ビルの上に
反りのついた中国の楼閣がのっているのだ。
京都の街は、太陽の熱気もさることながら、修学旅行の若者達の熱気に溢れて
いた。地図とメモを片手に少人数のグループで走り回ってる。
ええなあ、青春!

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ありがとうございました。