映画、「熱波」を見た

あちこちで鼾の音を聞きながら見てた。そんなに退屈な映画と違うんやけど、
暗くなったらつい寝てしまう人っているものだ。そう言えばわしかて時々、
一瞬気を失ったようになってたなとわかるときがある。瞬停(瞬間停電)な
らぬ瞬睡してるのだろう。歳のせいやろなあ。ご用心、ご用心。この日の映
画館も平均年齢高かった。
さてそれはええとして、この映画、出だしのピアノがすごくいい。
いきなりぐっと惹きつけられた。強いタッチだが壮大ではない。繊細なタッチ
ではあるが優しくはない。嫋々とある種の不安を導くような音が流れていく。
例えば、アフリカのある河岸にワニがいて、じっとしてる。生きてるのか、死
んでるのかピクッとも動かない。しかし大きな目がぎょろりとしてる。意思が
あるのか無いのか視線はない。
それでも何故か緊張感が漲っている。
もしかしたら、いきなりがぶっとやられるかもしれない。
そんな音楽のように思えた。(どんな音楽や?)
後半には懐かしい60年代のロックが。
おお、「Be My Baby」やないか。懐かしなあ。
こんな映画好きやね。
中身は簡単に言えば、ごく普通の不倫映画。珍しくもなんともない。
それにリスボンとアフリカの味付けをして、セピアに色付けして、60年代のロ
ックを薬味に振り掛ければ、なかなか美味しいもんができあがったと言う仕掛
けだ。
なかば狂ったような婆さんがいる。悪魔や精霊に狙われていると言う。召使に
も意地悪されていると言う。娘は親を見離して遠くへ行ってしまった。
そしてとうとう死の床に。最後に一人だけ会いたい男がいると言う。
男は本当にいるのか?
何故、最後に会いたいのか?
そこから婆さんの過去の壮大なロマンスが・・・
やっぱり只者ではなかったのだ・・・
最後にまたあのピアノが流れる。
ええですなあ。

eiga130914

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ありがとうございました。