最近読んだ本、「『北京三十五年』ー中国革命の中の日本人技師ー」

  • 2011年6月8日
  • 5人
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話はころっと変わりますが、「あじあんじゃんしょん」から「あじあんじゃんくしょん2」への
過去データの移行をやってましたが、一応完了しました。
どっちが読みやすい?との問題があるかもしれませんが、一応過去全てのブログ記事が
「あじあんじゃんくしょん2」に集まっています。
もし良ければご覧下さい。
今迄の移行作業の中で、過去の旅行記などで描き直して見たいようなのもいくつかありました
ので、機会があればそんな記事も作ってみたいと思います。
又、よかったらご覧ください。

山本市朗、「北京三十五年」ー中国革命の中の日本人技師ー
こないだ「北京の春」の旅に行くと決まった時、何かの参考にといくつか本を読んだ。
胡同とか古鎮とかについて書いた本だった。そういう本を読んでいる中で、山本市朗さんという
人が書いた「北京三十五年」というのが紹介されていたので、早速読んでみたのだ。
私も、同じエンジニアとして長年働いてきた人間なので、この人の本を通して、この人の生き方
生き様を感じて本当に素晴らしいと思い、感動した。
日清戦争の時代から、中国の革命の時期、共産党の国の確立、といった動乱の時代を経て、
更に、文化大革命という激震の時代も体験して、つい最近まで北京で暮らした人の物語りなのだ。
それも、なにか政治や経済、社会生活の舞台で特別ドラマチックな体験をして来たというわけでもなく、
事実は小説より奇なりというほどの格別強烈な人生を送ってきたというわけでもない。
一介のエンジニアが淡々とそのエンジニアという職をとおして、中国北京に暮らし、淡々と
中国の人々と触れあって生きて来たのだ。
そして、中国人となって中国に暮らすといったようなことではなくてあくまでも、日本人であることを
貫いた人なのだ。
はるか昔は、世界帝国としての文化水準を誇り、技術の面でも超先進国であったはずなのに、
相次ぐ戦乱と腐敗の時代が長く長く続いたあとでは、信じられないくらい恐ろしいモノ造りの世界に
なってしまっていたのだ。
技術が無い。やり方がわからない。良いモノを作ろうという気がない。
継続させる、安定させる仕組みがない。
根気がない、能力がない。
それを悪いとは思わない。世の為人の為に働かない。
そんな時代であって、そんな状況であれば、うまく立ち回れば、一攫千金、いくらでもお金儲けのネタに
事欠かないでことであったろう。
現にそういう人達もいたという。
そんな時代に、そんな状況下で、中国のモノ造りを育てることを、ぼちぼちとやれることだけを、
信念をもって、やれる範囲でやってきたのだ。
どんなことがあっても、スピリッツを曲げない。ぶれないという行き方が心を打つ。
今、テレビにでてきて顰蹙を買っている日本の政治家たちとは大違いじゃないか。
だからあの文化大革命の時でも、さすがに収容所みたいなところに隔離はされたようだが、
酷い排斥にはあわずにすんだのだ。
排斥のネタすらなかったのだろう。

hon110608

多分、この人だけでなく、戦後、いち早く中国に進出してモノづくりの指導をした多くの先人の
エンジニア達の中にも似たような人が多くいたとおもう。
そう言う人達がいて今のモノ造りの日中関係があるのだと思う。
日本のエンジニアの誇りでもあると思う。

ほんならお前はどうやと考えてみれば、エンジニア人生、はずかしいことだらけだ。

まだ人生は終わったわけではない。
今後の人生でがんばりましょう。

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ありがとうございました。