ダナン着、5時30分
走り始めると、乗務員が来て、年配のおばさんと何か喋っている。そして
チケットを切り始めた。どうやら予約してなくてもその場で購入というのも
ありのようだ。こんな夜行列車で飛び込み乗車というのもリスキーやなあと
思いつつ眺めていた。もうしばらくすると、ご飯屋さんらしきおばさんが
通路をやってきた。年配の女性が声をかけると、どんぶりにご飯をよそって
その上になにかどろっとしたものをかけて渡している。
「これが乗車券に含まれているご飯か」とわかった。
ガイドブックなどには、食堂車もあるし、社内販売もあると書いていたが、
そんなのは全くない。しかし、このおばさんが時々何かいいながら通って
いるのは気がついたが、何の事か全くわからなかった。
呼ばなければ呉れないのだ。「どうしよう」と思ったが、やっぱりお腹が
空いてないし、「ものは試し」で食べてみたい気もあったが、残すのは
わかりきっているし、それでお腹をこわしたら大変なことになる。
「まあええか」とパスして、ウィスキーを飲んでいた。
となりの女性が少し話しかけてきたが、言葉が通じないとわかって
黙ってしまった。
ごはんを食べたらさっさと寝てしまった。
上の二人もしばらく話をしていたがじきに静かになった。
本でも読もうと体の向きを変えて枕元の読書灯を着けたが暗くて読めない。
天井灯はついているが本が読めるほどではない。
ここから先は外の景色も闇の中だ。寝るしかない。
と思っているうちにぐっすりと寝てしまった。
又、乗務員が来てざわついているので目がさめた。
ダナンに到着のようだ。間にいくつか駅があったようだが、乗務員は
来ない。降りる人がいたら来るのか、大きな駅だから来るのかよく
わからない。
上の二人がブリーフケースを持って、さっさと降りていった。
ここでも沢山人が降りて、沢山乗ってくる。
ここは大きなビジネス都市になりつつあるところだから無理も無い。
朝着く列車は仕事には好都合なのだろう。