シャンソンは何故かこの1枚、バルバラ「不倫」

  • 2006年12月21日
  • 音楽
  • 2人

私が持っているシャンソンのレコードは何故かこの1枚です。バルバラ「不倫」です。
「不倫」という言葉は、中高年のおっさんにとっては、甘いささやきで、つい「ふむふむ」と吸い寄せられてしまいますが、これは、フランス語なので、意味は全く分かっていません。
でも、レコードの針を入れて、すぐに立ち上がってくる、あの鋭い、透明な歌声。
長い人生の、辛酸とあきらめ、深い悲しみ、そういうものを、鋭く切り取って投げつけてくるような、情念の歌が埋まっています。

パリは通りすがっただけですが、好きな街です。
人と人の適切な距離感を上手につくれる大人の街という感想を持ちました。
パリの女は政治を語るのが好きだそうです。
夜更けのマレー街のあたり、バーの片隅でワインを傾けながら、政治の議論をする大人の女がいて、自由で自立して、おしゃれで、いい生き様の人達がいる街。
それでもやっぱり人生にはいろいろな事があって、深いため息も、悲しい叫びもあって、それでも、大人で生きていく。
そういう声が聞こえてきそうなレコードです。

真夜中の女歌手と呼ばれるゆえんでしょう。

「・・・さよなら可愛い子 王様 愛している恋人 あとであんたにもわかるだろう 人が愛し合っている時は 一番美しい時に別れなければ そして苦しみをかくさなければ・・・・」

私は、オーディオ機器を変えた時、このレコードをかけます。
このレコードが旨く聴ける装置というのが一つの目的でもあるのです。

**これからは毎週木曜にはできるだけ音楽や映画の話をしたいと思います。

balbala061221

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