映画「上海の伯爵夫人」を見ました。

映画「上海の伯爵夫人」を見ました。これは、以前紹介しました、カズオ・イシグロの小説、「わたしたちが孤児だったころ」を映画化したものです。
が、しかし・・全然内容が違います。
戦前、1930年代の上海が舞台、不安と混乱と華美狂乱の日々、子を想う親の愛情、日本人との友情など、キーワードはそうなんですが、内容は全く違うものです。原作は、サスペンス調で、長じて名声を得た探偵が、少年時代を回想し、その頃、誘拐されて行方不明になった両親を探すというミステリー話です。それは、租界を舞台に諸外国がビジネスと称しながら麻薬で中国を蝕んでいっている世界に手を染め、時には手痛いしっぺがえしをもらってしまうという時代の中で、両親が時代に翻弄され、結局はどうなっていったか、それを見つけていく旅という展開でしたが、映画は、舞台が上海というだけの、唯の恋愛もので、いつのまにか亡命ロシア貴族の話が絡んできているという話でした。
小説とは違うものですが、これはこれで面白かったと思います。
身を売るしか生きられない亡命ロシア貴族達が上海を舞台にうらぶれていった話はよく聞くことです。
こういう哀愁もこの街は飲み込んでいるのですが、残念なのは、そういう上海への切込みが殆どないという事です。

隣では、老女が軽いいびきですやすやとお休みでした。映画館の中は暖かいしね・・・。

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あの娘が夢見た蘇州ってどんなとこだったんでしょう。
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