カズオ・イシグロ 「日の残り」
よく映画や本で、英国の執事ってでてきますよね。
実に興味深い存在です。
慇懃無礼の代表みたいな。
サービス業の鏡みたいな。
CSの見本みたいな。
いろんなイメージが浮かびます。
そういう執事がでてきます。
「執事の品格」を追い求めながら、自分の執事人生の旅をしています。
本当にそれが、彼自身の人生だったのでしょうか、
実は人生の大事な時期の恋をしていたことすら気がつかなかった。
愛の意味すら理解する事ができなかった。
執事人生が終わる頃、やっと、そういう人生に気がついたのでしょうか。そうなら、彼の人生って何だったんでしょうか。
カズオ・イシグロって、すごい語り部ですね。
深いです。
平松洋子 「旅して見つけたベトナムとタイ 毎日のごはん」
私の好きなアジアごはんの本です。
読んでいて、なつかしく、共感のできるところばかりです。
アジアの食事って、基本的には米のご飯と混ぜながら食べるものだと思います。
そういう風にできているのだと思います。
いろいろなものをご飯の上に載せて、その上にニュクマムや唐辛子、酢、塩などの調味料や香辛料を加えて、自分流の味を整えます。
それを、ご飯と一緒に食べるのが本当の美味しさだと思っています。
そういう意味では米も、日本米は重過ぎます。日本の米は、それ自体はものすごく美味しく作り上げられていますが、こういう食べ方のものではありません。
日本の味噌や醤油だけでなくて、魚醤やニュクマムの奥の深さもすごいです。
新鮮な野菜を始め、タイやベトナムの豊かな食材と調味料を知るとアジアご飯は、本当にすばらしいと思えます。
毎週火曜は、本の話です。