最近夢中で読んだ本、沢木耕太郎

  • 2007年5月29日
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沢木耕太郎 「世界は使われなかった人生であふれている」
なんとすばらしいタイトルなんでしょう。
「もしあの時、ああしていたら、今とは違う別の人生があって
その結果どうなっていたのだろう」なんて事は誰の気持ちの
中にもあるものだと思います。
普通は、そういうものもいつか記憶の中に埋没してしまうものの
ようですが、ある時突然、鋭い痛みと共に思いがあふれる時も
あります。又、ある時、あの言葉の意味、あの行動の理由が
突然わかってしまって、自分の阿呆さに臍をかむ思いを
することもあります。
そうしながら、使われなかった人生をつぎつぎに溜め込んでいく
ものなのでしょうか。
でも、使われなかったはずの人生を使っているのかもしれないという
ひそかな楽しみがある場合も時にはあるのです。・・・・
この本は、映画を紹介する本です。
すべてが、「使われなかった人生」を思わせる映画というわけでは
ありませんが、この本を読んでいて無性に映画が見たくなりました。

沢木耕太郎 「人の砂漠」
心の砂漠の不毛の中で、それでも生にしがみついている人。
その、屈折と生き様。
もう行くところのない売春婦たちのいきついたところ、「更生するための施設」ではなく「行き続けるための施設」。
辺境を見つめて生きる人たち。
こういう人たちの生き様をレポートしたルポジュタージュです。
この作家の人を見る目は好きです。
この人の旅のレポートもすてきなので、追いかけています。

大連、北京往復のの飛行機の中で読んでしまいました。

sawaki070529

毎週火曜は、最近夢中で読んだ本の話です。