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最近読んだ本、「巨流河」上、下

これはすごい本だ。これもある人が読んだということで文章に書かれていた情報を パクらせていただいて読んだ本だ。 分厚い上下2巻、量もすごい。 先日読んだ張愛玲の本と実に対照的だ。藤原定家の狂言綺語の世界を思わせるような、 妖しく美しく作為に満ちたと思える張愛玲の物語りに対して、これはあくまでも正統的だ。 英文学者が淡々と語る自叙伝である。 狂言もなければ綺語もない。あくまでも現実にあったことだけが静 […]

最近読んだ本、「鉄道大バザール」

ポール・セルー、「鉄道大バザール」 この人にはいろいろな旅の本がある。特に鉄道旅行の話が多いし楽しい。 シベリア鉄道の話もあったし、中国鉄道大旅行の話もあった。 地中海を巡る船の旅の話もあったなあ。 しかも、旅の態度がいい。その土地の人の中に入り込んで、話をし、土地のモノを食べて 言葉もできるだけ覚えているようだ。 「旅の名人」やなあと思っている。 その人の初期の作品らしい。時代はちょうどアメリカ […]

最近読んだ本、「アン・ソンギ・韓国「国民俳優の肖像」・」、「湖底の城 二」

村山俊夫、「アン・ソンギ・韓国「国民俳優の肖像」・」 「この本はほんまにすごいわ」 たしか友達がFacebookでこのようなことを書いてたので、それなら私も読んで見ようと思った。 確かにすごい。 友達は映画に詳しく、韓国映画には特に詳しいから、その人の、「すごい」と映画には詳しく なく、韓国にもうとく、まして俳優さんの名前などほとんど知らない私の「すごい」とは 全く意味が違うと思うが、とにかくすご […]

最近読んだ本、「張愛玲、愛と生と文学」、「映画館(こや)がはねて」

ちょっと前に、張愛玲の小説の事をこのブログに書いたら、コメントを頂いて、この本の事を 紹介していただいた。こういう事でどんどんと世界が広がっていくのが楽しいし、ありがたい。 池上貞子、「張愛玲、愛と生と文学」 張愛玲の文章って、かなり気になっていた。名文、あるいはすばらしい文学という感覚のもの とは思わないが、何故か気になる。 時には、どきっとするような言葉使いや、これはすごいなと思う表現が出て来 […]

最近読んだ本、「ブエノスアイレス食堂」、「旅で眠りたい」

カルロス・バルマセーダ、「ブエノスアイレス食堂」 名前につられて読み始めた。ブエノスアイレス食堂、何か響きがいいではないか。 南米の果て、ブエノスアイレス、大都会の場末に小さな食堂があって、毎日、見てくれは 悪いが信じられないほど美味いモノを食わせる料理人がいて・・・・ こんなことを想像していた。 ある意味そう外れてはいない。 が、実はもっと壮大だ。 幻の、「南海の料理指南書」なるものが登場する。 […]