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最近読んだ本、「ミャンマー乞食旅行」、「米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす」

遠藤祐純、「ミャンマー乞食旅行」 ようわからんけど、この人、ただもんやないと言う気がする。 とても異色で面白い旅行記だ。 普通、こういう本になる旅行記ってセミプロみたいなバックパッカーさんがい て、一般人ならとても出来ないような無謀と言うか大胆というか、そういう冒 険の中で手に入れた話をおもしろおかしく綴ったものを想像する。 勿論それはそれですばらしい。未だ見ぬ土地を巡って、自分では出来へん冒険 […]

最近読んだ本、「愉楽」、「ヴォルテール、只今参上」

閻連科、「愉楽」 これはすごいなあって思う。前に莫言の「蛙鳴」を読んだ時にもユーモアのセ ンスが抜群やなあって思ったけど、この人のビターなユーモアには更に惹き付 けられる。 昔、老舎と言う作家の「駱駝祥子」と言う本を読んだ事がある。 車引きの青年の夢と挫折、庶民の暮らし、混沌と理不尽、そういうものが力強 くビターなユーモアの感覚で書かれていて夢中で読んでしまった。何かおなじ ようなDNAが働いてい […]

最近読んだ本、「波の音が消えるまで」

沢木耕太郎、「波の音が消えるまで」 沢木耕太郎のノンフィクションは沢山読んでいる。これもそういう本やと思っ てた。読み始めて直ぐに小説やと言う事がわかった。 でも、ノンフィクションみたいな変わった雰囲気の小説でもあるなあって思った。 と言うのは、ストーリーの流れが、この人独特の、次は何処へ行って何をする ねん?それで何が起こってどうなるねん? と、まるで旅で予期せぬ何かに巡り 会い、その何かが次の […]

最近読んだ本、「さいごの色街飛田」、「深夜食堂」

井上理津子、「さいごの色街飛田」 未だ現役時代に会社の仲間達と面白いところで忘年会をしようということで、 天王寺の旧飛田新地にある「鯛よし百番」という料亭に行った事がある。 その店は大正時代の名残を色濃く残した建物で、外観も内装もとても古ぼけて はいるけどとても味があって良い店だった。 宴会の後で、ちょっと社会見学ということで今も残る、いわゆる色街、飛田を 見学して帰った。なかなか衝撃的な体験であ […]

最近読んだ本、「繊細な真実」、「月日の残像」

ジョン・ル・カレ、「繊細な真実」 この人のサスペンスは大好きだ。ちょっと普通のサスペンスものとは違う味が ある。いつも新しい視点の新しいシチュエーションと血湧き肉躍るアクション もあるし、話の展開も早くてリズムに乗りやすい。しかしそれだけではなくて、 人の暮らしもそこに描かれているようなのだ。ユーモアがあって、どこか哀し い。絶望にうちひしがれても、ぶれなくて挫けない。勇気と元気を貰えそうだ。 キ […]