最近読んだ本、「偽りの楽園 上、下」、「スーツケースの半分は」
「偽りの楽園 上、下」、トム・ロブ・スミス ダニエルはロンドンに住んでいるが、両親とは中々音信ができていない。それ と言うのも、うだつのあがらない日々のあげく同棲を始めたからだ。しかも、 相手は男で、相手の家に転がり込んでいる。その事実を中々言い出せなくて時 間ばかりが過ぎて行ったのだ。両親は僅かの財産を処分して、スウェーデンに 移住し、念願の田舎暮らしを始めている。何時か会いに行かないといけない […]
「偽りの楽園 上、下」、トム・ロブ・スミス ダニエルはロンドンに住んでいるが、両親とは中々音信ができていない。それ と言うのも、うだつのあがらない日々のあげく同棲を始めたからだ。しかも、 相手は男で、相手の家に転がり込んでいる。その事実を中々言い出せなくて時 間ばかりが過ぎて行ったのだ。両親は僅かの財産を処分して、スウェーデンに 移住し、念願の田舎暮らしを始めている。何時か会いに行かないといけない […]
アーナルデュル・インドリダソン、「声」、レイキャヴィクらしき街のとある ホテルでサンタクロースに扮した男が殺されていた。しかも下半身むき出しで。 男はグドロイグル・エーギルソンというこのホテルのドアマンだった。 単純な物取りか恨みによる殺人? 自殺の可能性もあるのではないのか? 捜査官エーレンデュルが操作を始めるとだんだんと意外な事実が分かって来た。 男に恨みを持つ人物が見当たらない。 では金か? […]
「愛と哀しみと旅立ちの歌 魯迅、鴎外、ソフィア、明石、慆天と日露戦争」、 中田昭栄 図書館に本を返しに行くと、最近返却されてきた本が並んでる書棚があるんで 一応そこを覗いていくことにしてる。小説なんかの場合、書棚を全部見て回る んは面倒くさいし、当てもなく見てても集中できへんで、結局読みたい本を見 つけるのが難しい。その点、最近帰ってきた本やったら、誰かが最近興味を抱 いたというやつやから、わしも […]
「紙の動物園」、ケン・リュウ とてもいいSF短編小説集だ。優しくて、静で、穏やかで、柔らかくて、知的で ちょっと哀しい。 ・僕の母さんは中国人だった。一言も英語をしゃべれなかったけど、生きてい くために米国人の妻となった。そういうブローカーがいたのだ。貧しい暮らし の中で子どもの僕の為に使い古しの包装紙を使って動物達を折っておもちゃに してくれた。母さんがふっと息を吹き込むと、それらはまるで命を与 […]
「アイネクライネナハトムジーク」、伊坂幸太郎 短編集のようなオムニバスのような、全部繋がった長編小説のような不思議な 作品だ。 「アイネクライネ」 佐藤は夜の東京の繁華街の真ん中で街頭アンケートをするはめになった。 何故か。課長が妻に逃げられたショックでサーバを壊してしまったからだ。その データを補完するためのアンケート調査なのだ。しかし、だれも相手にしてくれ ない。諦めかけた頃、ある女性がやっと […]