最近読んだ本、「マチネの終わりに」、「終わりなき旅の終わり さらば、遊牧夫婦」

  • 2017年7月12日
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平野啓一郎、「マチネの終わりに」
若き天才ギタリスト、蒔野聡史、今をときめく時代の寵児になろうとしている。
かっこええ。
美しく聡明なジャーナリスト、小峰洋子、外国の高名な監督の娘でもあるらしい。
かっこええ。
こういう二人は出会ったとたんに恋に落ちる。
なるほど。
さて、どれほどの恋物語がと思いきや、二人はすれちがうばかり。
蒔野聡史のギター演奏がおかしくなってきた。天才の技はどうなってしまったのか?
愛を求める心の高ぶりが音をより一層磨き上げるんとちゃうんやろか?それとも
今ひとつ信じきれない心の揺れが音にためらいを生みだすんやろか?
恋の行方は音の行方でもあるらしい。
小峰洋子はいつのまにかアラブの騒乱の真っ只中にいるらしい。テロが生み出す
生と死のカタストロフィーで彼女は壊れてしまったのか?
ええい、めんどくさい、やってまえよってつい思うのはゲスの感覚だ。
崇高な二人は許す愛と耐える愛をえらぶのか?
未来は過去を変えることができるのか? 許すことが至高の愛なのか?
二人の運命は果たしてどうなるのか?
言葉は美しくて行為はめんどくさい。
ギター曲が聴きたくなる。
そんなお話。

近藤雄生、「終わりなき旅の終わり さらば、遊牧夫婦」
夫婦でバックパッカーをやって旅をする話。とても面白い。
旅の話はどんな本でもいいなって思う。
旅をするのは楽しい。いろんなところを旅して、出会った風景、出会った人たち
のことを心に焼き付けて帰る。帰った時は溢れる想いが頭の中に一杯つまってる。
忘れんうちに絵に描いて、文に描いて、写真も整理して、なんて思ってるうちに
どんどん消えて行く。絵にも写真にも言葉にも音や匂いや味わいは映らへん。
人の心も映らへん。それでもやっぱり時にはそれをきっかけに想い出が膨らんでいく。
きつい想い出や危ない想い出、心がヒリヒリするような冒険、このあとどうなるか
全く読めない窮地をどう切り抜ける、そんなんもええかも知れんけど、全く普通の
旅にも良い旅がたくさんある。
たぶんその目で何を見るか、何を感じるか、そういう感性によるんではないか、
そやからええもん、ええ心を発見できる感性を磨かなあかんなあって思っている。
この本でもそういう楽しさがいっぱいあってとてもええなあって思うけど、
何故かきつい旅をすることが目的みたいなとこもあって、人の善意や助けを前提に
行動してるように感じられるとこもあるような気がしてそれが少々気に入らんなあって
思ったりした。
いずれにしろ、「漂泊の想いやまず・・」
いつも良い旅をしていたいもんだ。

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