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最近読んだ本、「ブラインド・マッサージ」、「獄中記」

畢飛宇、「ブラインド・マッサージ」 とても面白い本だった。一気に読んでしまった。 本の表紙を見ると、ちょっとエッチな感じがして期待したんやけどその方面 での展開は全くなくて、もっと人の世の紆余曲折を彩り濃く描いた小説であった。 よこしまな先入観はいけませんなあ。 その名の通り、盲人マッサージの世界の話である。 中国にはよく旅行するし、以前、旅行してたときにはよくマッサージに行ってた。 今でもそうや […]

最近読んだ本、「未成年」、「戦場のコックたち」

イアン・マキューアン、「未成年」 イアン・マキューアン、この人の本は大好きで、いつも新刊が出るたびに読む 事にしている。いつも大人の知性と悲しみと叙情が感じられると思う。文章は ドライブ感があってとても入って行きやすい。 フィオーナは老年を迎えたやり手の女性裁判官だ。仕事に熱中しすぎると夫に 不満が溜まる。その結果夫が家出? さてどうなる? 一方、こんども重要な案件がやってきた。アダムという少年が […]

最近読んだ本、「流」、「凹凸を楽しむ 大阪「高低差」地形散歩」

東山彰良、「流」 場所は台北の裏町あたり、時代は戦後すぐのころ、まるで日本の戦後の物語り を読んでいるようだ。どこにでもいるような悪ガキ達がいる。葉秋生もその1人 だ。いとことつるんで悪いことばかりしてる。そのうち上級学校にも行けなく なった。2人は悪さがますますつのっていく。そんなある日、爺さんが死ぬ。 殺された? 物盗り? わからん? 爺さんは戦時中かなり曰く付きだったらしい。 しかし死因が気 […]

最近読んだ本、「新宿物語’70」、「濃い味、うす味、街の味」

高部努、「新宿物語’70」 ハハハハハ、まるでわしらの青春時代やないか。 わしらかってヒッチハイク行ったぞ。九州から神戸まで、時には乗せて貰った 上にご飯まで食べさせてもらって、時にはもうおろしてくれって叫びたくなる ような運転で、時には旅の話相手にと、皆さんとても親切だった。 学生時代を過ごした街には香具師やらチンピラヤクザ、いろんな人たちがいた。 まあ、そんな人達はどこでもいるんやけど何故か学 […]

最近読んだ本、「暗幕のゲルニカ」、「守銭奴の遺産」

原田マハ、「暗幕のゲルニカ」 この人の本は出るとすぐに読んでしまう。文学的にどうこうというよりは、 いつも好きな芸術家が主人公やし、元キュレーターとしての知識や想像力を 駆使して人物像を生き生きと造り上げているんでついつい引き込まれて行く のだ。 前にフランソワーズ・ジロー、の「ピカソとの生活」という本を読んだ事がある。 ピカソと暮らした沢山の女性の中で唯一ピカソを自分から振った女性という人 の話 […]