最近読んだ本、「サラバ 上、下」、「母の記憶に」
西加奈子、「サラバ 上、下」 これは異色というか、変わったというか、馴染みにくいというかなんとかく微妙な 感じを抱きつつ読んでいた。真面目なようでチャラいようでやっぱりチャラいんと ちゃうやろか? 舞台はいきなりイランから始まる。永遠の都テヘランだ。イスラム紛争で激動の街でもある。 父の転勤でこの街で暮らすことになった圷(あくつ)歩の少年時代。親友もできた。 楽しいことはいつまでもつづくかと思われ […]
西加奈子、「サラバ 上、下」 これは異色というか、変わったというか、馴染みにくいというかなんとかく微妙な 感じを抱きつつ読んでいた。真面目なようでチャラいようでやっぱりチャラいんと ちゃうやろか? 舞台はいきなりイランから始まる。永遠の都テヘランだ。イスラム紛争で激動の街でもある。 父の転勤でこの街で暮らすことになった圷(あくつ)歩の少年時代。親友もできた。 楽しいことはいつまでもつづくかと思われ […]
青木直也、「幕末単身赴任 、下級武士の食日記」 昔、「花の下影」という本を読んでいたく感動したことがある。幕末の頃、 作者不詳ではあるが、美味しいもんを食わせる店の様子を描いた画帳で、 とても素晴らしい内容だ。今はデジタルカメラがあるし、スマホがあるから簡単 やけど、食い物屋や食い物を臨場感を持って絵に描くのはとても難しい。勿論 カメラに写すのもそれなりにテクニックは必要で上手に写した写真は魅力的 […]
ローズ・トレメイン、「音楽と沈黙Ⅰ、Ⅱ」 ある日、ピーター・クレアという美貌のリュート奏者がコペンハーゲンにある ローセンボー城にやってきた。デンマーク王クレスチャンに雇われて、彼の楽団に 参加して演奏するためだ。王の居室には奇妙な仕掛けがある。その地下で楽団が 演奏すると複雑な伝声管を伝ってその部屋で音楽が聞こえるという仕組みなのだ。 王はその仕組みがいたくお気に入りで、そのため楽団員は暖房の無 […]
塩田武士、「罪の声」 これはすごい。一気に読んでしまった。あの「グリコ森永事件」をベースにした 推理小説だ。わし自身、実際の事件を振り返っみたら何もわかってないし、何もかも うろおぼえ、世の中の大事な事を直視しないで過ごしてきた数々のことがらの ひとつやなあって改めて反省した。 もしかしたら、本当にこうだったかもしれん。いかにもな話を空想してみると 言うよりは、綿密に記録を調べて調査と推理を組み立 […]
角幡唯介、「漂流」 この人の、「空白の五マイル」という本を読んだことがある。チベットの山奥深くにツァンポー峡谷 というところがあって各国の探検隊が挑むが後五マイルを残して踏破できていなかった。 そこには幻の瀧があるという。そこに挑む作者自身の冒険談だった。ただの自慢話的な 内容ではなくて、真摯で内省的なところもあるし困難に挑む姿勢も共感できて楽しく 読むことができたんで、早速手にとってみた次第だっ […]