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最近読んだ本、「教誨」、「ステイト・オブ・テラー」。

「教誨」。 柚月裕子 著。 あじあん 幼女二人を殺害した女性死刑囚が最期に遺した言葉―― 「約束は守ったよ、褒めて」 ミステリーと思って読んだら、そういうもんではない。 謎解きかと思えば、そう、ずっと、何故? どうして? に引っ張られて最後まで読んでしまう。 ずっと心がざわざわする。 こんな話、あんまり好きとちゃうわと思いつつ、筆の力に引っ張られて読んでしまう。 ある日、吉沢香純は東京拘置所から突 […]

最近読んだ本、「台湾漫遊鉄道のふたり」、「箱男」。

「台湾漫遊鉄道のふたり」。 楊双子 著。 あじあん 「万巻の書を読み万里の道を行く」 昭和の頃の話だ。まだ台湾が日本統治下だった頃の話。 この時代にあって自由奔放な女性千鶴子は、我が身を持て余してる。結婚はしたくない。周りはうるさくてしょうがない。何をしても干渉がある。どっかへ逃げたい。 しかし、流行作家になってしまった今、自由がきかへん。 さて、もっけの幸か、台湾旅行が降ってわいた。 台湾在住の […]

最近読んだ本、「怪物」、「血の味」。

「怪物」。 東山彰良 著。 あじあん 怪物が私を追いかけて来る。 二叔父さんは本当に怪物を撃ったのか? 私は柏立仁、作家である。私が書いた「怪物」は大ヒット作となった。 しかし、なぜかスランプ。次が書けない。 「怪物」に押しつぶされそう。 わしの故郷、台湾へ行こう。幼馴染の従兄弟、マントウ売りの王誠毅に会おう。 そして、鹿康平のモデル王康平の事をもっと知ろう。 それに、藤巻琴里の手紙が気になる。 […]

最近読んだ本、「ミス・サンシャイン」、「もうひとつの幕末」。

「ミス・サンシャイン」。 吉田修一 著。 あじあん 「僕が恋したのは美しい80代の女性でした」 岡田一心は大学院生。ゼミの教授の紹介でアルバイトに行く。 行ってみれば、往年の大女優「和楽京子」、荷物整理の仕事だった。「鈴さん」て読んでくれればいいのよって軽く言うけど、ビクビクが止まらない。 住んでいるマンションとは別の、元の家に残された膨大な資料を仕分けしていらないものは捨てていくのが彼の仕事だ。 […]

最近読んだ本、「ハンチバック」、「ドナウ、小さな水の旅 ベオグラード発」。

「ハンチバック」。 市川沙央 著。 あじあん やっぱり芥川賞になった。 ある日、ネット記事をパラパラと眺めてたら、文學会新人賞をもらった人の紹介記事がちらっと見えた、「フーン」と通り過ぎようとしながら写真をちらっと見たら、明らかになんらかの障害を持った人の顔が。そして、その目力にギクっとなった。 紹介文を読むよりその存在感にグイッと惹きつけられた。こんな存在感の人がどんな本を書くんやろ? 「ハンチ […]