最近読んだ本、「4321」

  • 2025年6月1日
  • 11人

「4321」

ポール・オースター 著

あじあん

一人の人の四つの物語。波瀾万丈也。

これは素晴らしい。
大家、ポール・オースターの大長編。
長い、とにかく長い。読んでも読んでも減らへん。
分厚い。重い。
持ち運びも大変。
でも、面白い。
この歳になって、なったからか、なってもか分からんけど、夜の寝床の中でとか、
昼間ぼんやりしてるときとか、
あっ、あの時に、あの人が言うた言葉はこんな意味やったんか。こんな意図やったんか。
と、ふと完全に理解できた気がする時がある。
なんや、そうやったんか。あの時わかってたらどうしたやろ。
人生変わってたやろか。
少なくとも、もうちょっと何かできてたような気がするけど。
どうなんやろ?
そして、思う。
わしのような平凡な人間の、ありきたりの人生であっても、大きな選択を、
あるいは中位の、あるいはちっちゃな選択をせんとあかんかった時が
一杯あった。
あのときあちら側を選択してたらどうなってたやろ?
それを思うこともよくある。
大金持ちになってたやろか?
絢爛豪華な人生を歩んでたやろか?
やってないからわからんけど、まあ、それはないやろね。

アーチボルド・ファーガソン、1947年生まれ。わしとほとんど同じ。
彼の人生が始まる。
その前に。彼の先祖の話。
アメリカに移住したユダヤ系の家庭の暮らし。
爺さんの苦闘。両親のがんばり。
そしてアーチーの幼年期。
とりたてて波瀾万丈ではない、普通の人生。
淡々と進むけど、筆の力に引っ張られて、どんどん読む。
ええですなあ。
いよいよ思春期に。
ベトナム戦争の時代。公民権運動の時代。
ケネディが。
彼は野球の道に?
ところが、事件が。
雷が。
4→3へ?
彼の人生は? 続く。
野球で大活躍。名選手。だれも敵わない。
の、はずが。大事故へ。指が・・
父と母の問題・・・
大学受験・・・
とても面白い。ワクワク。
これからどうなる?
筆のちからにどんどん惹き寄せられる。
激動のアメリカ。激動の世界。
ニューヨークの暮らし。
とうとう筆を持ったファーガソン。
そして、
3→2
ほとんど気がつかないうちに枠組みが変わってる?
企みに満ちた物語。
この男、何人分の人生を生きるのか。
同じ人格で? 何が起こっても?
これから彼は作家として世に出ることができるのか?
そしてどうなる。
愛する人は? 母は? 周りの人たちは?
わかるようでわからん。
とても面白い。
大長編ではあるけど是非、一読を!

 

あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星五つ。

あじあん

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