CATEGORY

最近読んだ本、「月の満ち欠け」、「ストラディヴァリウスを上手に盗む方法」

佐藤正午 、「月の満ち欠け 」 本は図書館で借りて読むように決めているんやけど人気の本はなかなか順番が回って 来いへん。何ヶ月もかかってやっと通知が来る場合もある。 しかし、九度山で暮らすようになって良いことが一つ、九度山にも図書館があって それなりに本が揃っている。そして競争が殆どない。これは助かる。 この本も書棚にあるのを見つけてすぐに借りられた。なんとラッキーなのか。 てなことで予定より早く […]

最近読んだ本、「逆向誘拐」、「アウトサイダー」

文善、「逆向誘拐 」 とても異色で、とても面白い。アイデアが光る小説だと思う。 台湾で開催されてる島田荘司推理小説賞の第3回受賞作品だそうだ。 日本と台湾でそういう繋がりがあるって知らんかったけど、何にしても繋がりが あって仲良くなるのはとても良いことだ。 で、この作品。 国際投資銀行(A&B)の情報システム部に植嶝仁という若者がいる。どうやら 親のコネで入ってきたらしい。仕事はできそうだ […]

最近読んだ本、「風神雷神、風の章、雷の章」、「呑み鉄、ひとり旅 乗り鉄の王様がゆく」

柳広司、「風神雷神、風の章、雷の章」 これと同じテーマで辻邦生の「嵯峨野明月記」を読んだことがある。格調高い文学の 香りがする文章やったような記憶があるけで、こっちはとても読みやすい。 主人公は俵屋伊年、後の俵屋宗達だ。 ただのぼんやりボンに見える扇屋の老舗俵屋の後継にはもしかしたらとてつもない 画才があるのではないやろか? 安芸国、厳島神社にある平家納経の修復で驚くべき才能を見せたのだ。 そして […]

最近読んだ本、「HHhH プラハ、1942年」、「真ん中の子どもたち」

ローラン・ピネ、「HHhH プラハ、1942年」 これはすごい小説だ。傑作だと思う。一気に読んでしまった。 ドキュメンタリー風の小説には「これは小説であって事実とは異なる場合があります。」 という但し書きがあるけど、どうやらこの作品では事実を細部に渡って追いかける ことを旨としているらしい。 いつどこにいた。その街角はどんな様子だった。その時どんな服を着ていた。 誰と会った。なんの話をした。 徹底 […]

最近読んだ本、「四時過ぎの船」、「湖畔荘」

古川真人、「四時過ぎの船」 これほど淡々として、おだやかなゆるい時間の中にいて、何と切ない、哀しい物語なのか。 「今日ミノル、四時過ぎの船で着く」 吉川佐恵子は自分が書いたノートを見た。 あらもう4時、早く迎えに行かなくては。ミノルは1人で来るの? 家族と来るの? いや、これは今日のことではない? いつのこと? 美穂から電話が来たのは昨日のはず? 島の古い家でひとり暮らし続けるうちに思い出すばかり […]