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最近読んだ本「続横道世之介」、「戦場のレビヤタン」。

吉田修一、「続横道世之介」。 世之介再登場。 とても楽しい。 とてもわかりやすいダメ男がいる。とても良い人で人付き合いも良い。 ただ、正業についてお金を沢山もらって出世してなどという意欲はまったく持ち合わせて ないようだ。これではあかんかもと思いつつバイトでその日をくらし、パチンコを 楽しんでいる。それが横道世之介だ。 ある日、パチンコ屋で浜ちゃんとわかる女性と知り合う。というかビビらされるキツい […]

最近読んだ本、「路地裏の子供たち」、「いつか深い穴に落ちるまで」。

スチュアート・ダイベック、「路地裏の子供たち」 とても良い。繊細で叙情的な短編集だ。 スラム街のような路地裏には、暴力がある。退廃がある。泥棒がいる。臭い匂いがある。 怠惰がある。貧乏がある。切なさがある。 そして子どもたちには夢と冒険がある。 パラツキーマンに出会ったらどうするのか、どうなるのか? 猫女とは何なのか? 鳥と汚濁にまみれて暮らす男。 幽霊に追いかけられる。夢か?現実か? 冒険の日々 […]

最近読んだ本、「ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活」、 「ルース・スレンチェスカ 九十四歳のピアニスト一音で語りかける」。

國友公司、「ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活」 西成って聞くと心が騒ぐ、特に何か思い入れがあるとか、いい目や恐ろしい目に あったとか、なんやらかんやらがあるわけではないんやけど、ディープとか 妖しいとかそういう言葉や雰囲気が好きで、そんなんを求めてアジアの街角を 旅したりしてるんで怖いもの見たさ半分で時々飲みに行ったりすると、今では ごく普通で平凡なとこやんかと思ったりもするけど、いやいやときには、 […]

最近読んだ本、「ブラック・スクリーム」、「ガルシア=マルケス「東欧」を行く」

ジェフリー・ディーヴァー、「ブラック・スクリーム」。 たまには、カッコいいあるいは天才的な頭脳を持った名探偵が登場して、難しい 事件を次々に解決し、胸のすくようなやり方で悪いやつを次々やっつけるという わかりやすいミステリーを読んでみたいと思う。 単純明快なのも時にはありがたい。 名探偵リンカーン・ライム登場。ニューヨーク市警元警部の顧問? 肩書はどうあれ 著名な名探偵であることに間違いはない。パ […]

最近読んだ本、「ベルリンは晴れているか」、「生まれ変わり」

深野野分、「ベルリンは晴れているか」。 この作家の書いた「戦場のコックたち」がとてもよかった。 今回はどうやろ? アウグステは終戦直後のベルリンの混乱の中を一人で生き抜いている。 アメリカ、連合国側の占領軍とソ連側の占領軍が交錯していろんな事件が起きている。 暴力や強姦、泥棒、いざこざ、生活環境はとても危険な綱渡りだ。 いつ何時、どんな酷い目に遭うかわからんし、現に遭ってきた。 希望のない日々、そ […]