最近読んだ本、「定価のない本」、「よその島」。

  • 2020年12月2日

門井慶喜、「定価のない本」。

神田神保町というのは本好きな、あるいは本に関わる人たちには特別な場所なのだ。
知らんけど。
しかも古本業界というのは、とてもプロフェッショナルな世界みたい。
もちろん本の知識、古本の知識、それにまつわる作家の話、作家にまつわる歴史の話、
文化の話、社会情勢の話、その他、なんでもかんでも。
その上に、業者の入札の常識、業界の取引の常識、その他、なんでもかんでも。
なるほど、奥が深い。
そのあたりが結構読める。楽しい。
それで、何なんやと言うと、
戦争が終わって1年ほど経ったか、少しは世の中が錯乱状態を脱しつつあるか?
神田の古書街も少しは活気が戻ったか?
そんなある日、事件が起こった。
ある古書店主が崩れた古本の山の下敷きになって死んだ。そんなアホな?
しかし、事故としか考えられない。
いやおかしい? 友人の琴岡が調べ始める。
手がかりはある。注文帳だ。
芳松とは何者だった? 妻タカを追って五所川原へ。
そして、九条家のお宝稀覯本とは?
まさかGHQがからんでいるのか?
まさか日本文化に対する挑戦?
話はとんでもない方向へ向かう?
何という荒唐無稽? ほんまかいな?
謎は解けるのか? 真犯人は誰だ?
とてもおもしろい。

井上荒野、「よその島」。

ある日、島に渡る。
ここが終の棲家となるのか?
長い歳月を共にしても、一緒にはたどり着けない場所がある。
碇谷芳郎は古物商をしてる。蕗子は70歳。
野呂晴夫70歳はミステリー小説家。
奇妙な3人の暮らしが始まった。
そして、お手伝いさんとして仙崎みゆかが子供宙太と共に一緒に暮らし始める。
なんのこともない日々の暮らし。
しかし、なぜか、謎が?
なぜかサスペンスの匂いが?
それは、本当の疑惑からなのか? それとも老いからくる? あるいは認知症からくる?
ただの妄想にすぎないのか?
ならば妄想とはなにか? 本当は誰が認知症で、誰の妄想が現実を支配しているのか?
疑心が暗鬼を呼び、暗鬼が疑心を募らせる。
果たして殺人の罪がバレてしまうのか?
なぜ殺人だったのか?
いや、本当に殺人が起こっていたのか?
それは被害者の復習なのか?
産むことがなかった子供?産めなかった子供?
人間の心の闇か? 病がなせる技か?
ただの思い違いか?
謎は深まるばかり。
とてもおもしろい。

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ありがとうございました。