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最近読んだ本、「破船」、「ペッパーズゴースト」。

吉村昭、「破船」。 本文から。 ::: 村は、海に鋭くせり出した岬の断崖で南を閉ざされ、わずかに北への 峠越しの路で他の村落へ通じている。それは、岩場つたいの険阻な路で、 深い谷を二つも渉り、蔓のからみ合う樹林の中の急斜面をのぼって ようやく峠にたどりつく。そうした地勢が、村を孤立したものにさせていた。 ::: 田や畑はない。故に作物は手に入らない。浜で塩を焼いて売る。 イカを獲る。スルメを干して […]

最近読んだ本、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」、「ホテル アルカディア」。

アンディ・ウィアー、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」。 ある日、目覚めたら、宇宙船の中だった。多分? たった一人。 いや、あと二人いるけど、既に死んでいる。 私は何者だ。私は何をしてる。 身の回りの世話はロボットがやってくれてる。 「飯食いたい」といえばロボットアームが何かを運んでくる。 それはとても美味い。 しかし、何か大事なこと、例えば操縦室に入る、みたいなことをしようと したら、「名前を言 […]

最近読んだ本、「清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」、「雨滴は続く」。

ミア・カンキマキ、「清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」。 これはすばらしい。 「枕草子」、清少納言に魅せられた。あるいは魂を奪われた作者が、京都まで来て、 暮らす中で見つけたもの。 平安宮廷の時代に文才のある女性の生き様を見つめる。 定子と彰子のサロン。滅ぶものと栄えるもの? 虫はすずむし。ひぐらし。てふ。松蟲。きりぎりす。はたおり。われから。 ひおむし。蛍。 みのむし、いとあはれなり。鬼 […]

最近読んだ本、「残月記」、「たかが殺人じゃないか」。

小田雅久仁、「残月記」。 なんだか、強烈な印象を残す本。とてもシュール。 ありえない世界がまざまざと目の前に立ち上がってくる。 不思議な短編集。 ・そして月がふりかえる 大槻高志は順風満帆とはいえないかもしれないけど、普通に妻も子もいる暮らし。 地道ながら大学教授ではあるし、著作もある。 しかし、時々月が気になる。子どものころは自分の影に怯える子でもあった。 それがなぜかはわからない。 その日は、 […]

最近読んだ本、「女のいない男たち」、「シルクロード」。

村上春樹、「女のいない男たち」。 村上春樹の短編集。 わしは、つくづくミーハーやなあって思う。 ある日、アカデミーなんちゃらの発表があって、日本の映画が選ばれてた。 たしか、「ドライブ・マイ・カー」だ。その原作が村上春樹ということだった。 いや、読んだことないけど。 ちょっと興味あるなあ。映画を見るかどうかはわからんけど、本は読んでもええなあ。 てなことで図書館の予約リストにエントリーした。 順番 […]