最近夢中で読んだ本、沢田サタ、エドワード・ドルニック
沢田サタ 「泥まみれの死」沢田教一ベトナム写真集 ベトナム戦争の終わり頃、カンボジアで狙撃されて死んだ、ピュリツァー賞写真家沢田教一の写真集です。 彼の写真はホーチミンの戦争記念館で沢山見ました。非常に沢山の報道写真が展示されていましたが、その中でも、ひときわ印象的なのが彼の作品でした。 ピュリツァー賞を貰った「安全への逃避」、この本の題名にもなっている「泥まみれの死」など、瞬間を切り取る感性はす […]
沢田サタ 「泥まみれの死」沢田教一ベトナム写真集 ベトナム戦争の終わり頃、カンボジアで狙撃されて死んだ、ピュリツァー賞写真家沢田教一の写真集です。 彼の写真はホーチミンの戦争記念館で沢山見ました。非常に沢山の報道写真が展示されていましたが、その中でも、ひときわ印象的なのが彼の作品でした。 ピュリツァー賞を貰った「安全への逃避」、この本の題名にもなっている「泥まみれの死」など、瞬間を切り取る感性はす […]
グレアム・グリーン 「事件の核心」 20世紀最高の恋愛小説と帯に書いてあります。その通りかどうかは意見の分かれるところだと思いますが、強いインパクトを受ける作品であることは間違いないです。 自分の恥多き人生を振り返って、考えるところが沢山ありました。 舞台は、多分、インド、ムンバイのあたりではないかと想像します。恋愛に関わる小説ですが、甘い恋の話は一切ありません。 愛していると言ってしまった責任 […]
中沢 新一 「森のバロック」 我が郷土、和歌山の天才「南方熊楠」の話です。 奇人とも言えるでしょう。学校を否定した学者。学問が好きで好きでしょうがなかったのに、学校に行くのが大嫌いだった人。熊野の山奥を徘徊し、森の奥でひたすら思索にふけった人。 アメリカに行き、イギリスに行き、天才的な語学力でその地の学問や知識を身につけ、専門家達の対等に渡り合った人。 粘菌の生態の不思議にとらわれ、形なきものが形 […]
グレアム・グリーン 「おとなしいアメリカ人」 これは、本当にすばらしい本です。久々に良いものを読みました。 舞台は、ベトナム領時代のサイゴンです。(今のホーチミン) 帰国命令がでた英国の報道特派員。彼は、付き合っている彼女との間をなんとか決着をつけないといけない。 その頃現れたアメリカの領事館関係の男。この男の言動を通して、痛烈なアメリカのベトナム政策が批判されています。彼はアメリカそのものなので […]
カズオ・イシグロ 「わたしたちが孤児だったころ」 最初の三分の一位までは、かなり心配でした。 確かに軽妙な語りで話は進んでいくけど、このまま、こんな風で終わってしまうの違うやかと言う事でした。 ところが、話が上海に入って俄然面白くなりました。 主人公が少年時代を過ごした上海が生き生きと描かれています。 戦争前の混乱期の外国人居留区の暮らしです。 そこで、失踪した父、誘拐された母。両親が行方知れずで […]