最近夢中で読んだ本、熊倉功夫、イーユン・リー
熊倉功夫、「小堀遠州 茶友録」 茶会が、大名や有力者達の交友のイベントであり、セレモニーとして、確立していく。 そういう時代にあって、遠州の嗜好や感覚、生き方が一種の文化的な気分を作っていく、 それが、綺麗さびとか遠州ごのみとか言われ、結果的にはこの道の大御所になってしまった。 遠州の夥しい交友を通して、どういう人達の生き様の交錯がこういう時代の気分を作っていったのかを描き出している。 書や焼き物 […]
熊倉功夫、「小堀遠州 茶友録」 茶会が、大名や有力者達の交友のイベントであり、セレモニーとして、確立していく。 そういう時代にあって、遠州の嗜好や感覚、生き方が一種の文化的な気分を作っていく、 それが、綺麗さびとか遠州ごのみとか言われ、結果的にはこの道の大御所になってしまった。 遠州の夥しい交友を通して、どういう人達の生き様の交錯がこういう時代の気分を作っていったのかを描き出している。 書や焼き物 […]
倉橋由美子、「交歓」 色白美人が仄かに酔って、三酔芙蓉を呈している。 朝は白、昼は薄紅、晩は深紅に色を変える芙蓉の花のように。 この人と女と女、食後に愛し合うのはデザートのようだと。 では、メインは男とどんなコースが・・ 全編、四文字漢語のサブタイトルがあって、 それにまつわる詩があったり、話があったり、 中国の説話や物語を知っていたり、漢詩に興味があると とても面白い。 知的な空想の世界にしばし […]
野坂昭如、「死刑長寿」 この作家、「火垂るの墓」は強烈だった。戦争の最中、焼け出されて 孤児となった兄弟。飢えと病気で死んでいく妹。それを見つめる兄。 すさまじい世界を独特の文体で語っていく。 この頃の事を語るとすばらしい存在感を感じる。 戦災のどさくさの中、どこがどう食い違ったのか、 3人殺しの確信犯。死刑が執行されないまま牢の中、気がついたら長寿日本一に。 実に皮肉な展開はどうなっていくだろう […]
開高健、「過去と未来の国々」中国と東欧 香港から列車で深センに入る、そこから更に広州。 1960年のこの本が書かれた時期も、つい先だって、私が仕事で広州を訪れた時も、方法としては大きな違いはない。 でも、中身は大きく違ってしまっている。 今や大発展の中国だ。 47年前。当事の日本は安保反対運動の真っ最中。 まだ日本との国交の回復していない中国は革命の整理が終わりつつある頃だ。 中国も、このあと、 […]
浅田次郎、「中原の虹 4」 今回の旅で、旧満州国の宮殿跡を訪れました。 張作霖などの軍閥と日本軍の結びつきがどんどんエスカレーションして、 東北に一大勢力を作ってしまった。 あげくに紫禁城を追われた清国最後の皇帝が、担がれて、満州の地に傀儡政権を作ってしまった。 その歴史への痛烈な批判が展示されていました。 「中原の虹」清国の建国と滅亡。 長城を越えるのは誰だ。 結局は、愛新覚羅溥儀皇帝だけが、逆 […]