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石濤の画

水墨画の老師が良く言う。「石濤」っていいね。とか、「石濤みたいに画けたね」とか 「石濤みたいに画いてみようか」とか、まるで水墨画の代名詞みたいに扱っている。 老師は石濤が好きなんだ。実は私も気に入っている。 展覧会とかでしか見ないので、まとまって見る機会はないが、石濤の画法は大好きだ。 それで、機会があったら石濤の画集を買いたいと思っていた。 今回、北京で書店を見ていたら、石濤の画集があった。 陶 […]

最近夢中で読んだ本、アゴタ・クリストフ、濱本高明

アゴタ・クリストフ、「悪童日記」 最初は何となく青春小説風な作品を想像していた。 しかし、全然違った。 すごくシュールで不条理感に満ち満ちた内容だ。 戦乱の中、母親に連れられて双子の兄弟が祖母のところに疎開してくる。 祖母は二人を「牝犬の子」とののしり、こき使う。 村人は祖母を「悪魔」と呼ぶ。その夫を毒殺したという噂が消えない。 飢餓と暴力と戦乱の中を二人はクールにエキセントリックに切り抜けていく […]

最近夢中で読んだ本、范成大、色川武大

范成大、「呉船録(ごせんろく)・攬轡録(らんびろく)・驂鸞録(さんらんろく) 」 范成大という人は宋の時代の硬骨の官僚である。 当時は、金に侵略され、首都をはるか杭州まで移動せざるを得ない状況の宋にあって、 当然ながら不平等な関係に耐えていた宋皇帝の意を受けて、金の首都、燕京まで 関係改善の旅に出る、この紀行文が攬轡録である。 つまり杭州から北京の旅だ。 生きては帰れないという覚悟が良く出ている。 […]

最近夢中で読んだ本、金子光晴、樋口一葉

金子光晴、「世界見世物づくし」 得意の上海、南京からジャワやパリをめぐる見世物ばなし。 それだけではなくて、やはり根底は旅の心を語る本だ。 独特の語り口で私の好きな街々を語ってくれるのが嬉しい。 時には、違和感のある話も、既に他で読んだ話もないではないが、新たに寄せ集めて 編んだ一冊なのかもしれない。 樋口一葉、「大つごもり・十三夜他」 先月は仲秋節があった。所謂「十五夜のお月見」だ。それで、ウェ […]

最近夢中で読んだ本、コリン・コッタリル、芥川龍之介

コリン・コッタリル、「老検視官シリ先生がゆく」 何と舞台は、ラオスの首都ヴィエンチャンだ。行った事も見たことも無い。 「東南アジアでは闇に包まれた国」と勝手に思っているほどの場所を舞台に 老検視官シリ先生が活躍する推理小説とあっては、読む前から心が躍る。 ヴィエンチャンってどんなとこなんだろう。どんな人たちがいて、どんな暮らし をしているんだろう。 そして、シリ先生のところに死体が運ばれてくる。こ […]