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最近夢中で読んだ本、蘇東坡、張文成

小川環樹・山本和義訳、「蘇東坡詩選」 蘇東坡の詩は好きだったが、纏めて味わう機会がなかった。 今回、旅行に行った時に、読もうと持って行った所、 色んな手違いで旅行も待ち時間が多くなって、旅行の間に全部読んで しまう事ができた。思わぬ収穫ではあった。 蘇東坡の詩はすばらしい。彼の人格が薫っている。 何度か辛い目に会いながらも、詩に悲愴さや皮肉がなく、格調の高さが 感じられるものばかりだ。 蘇東坡で有 […]

最近、夢中で読んだ本、藤原新也

藤原新也、「西蔵放浪」 「印度放浪」に続く、放浪モノだ。やはり分厚い。 これも「旅行の本」とは全く違う。観光地が全く登場しないのだ。 前回の印度は、河に入り地に這いずる下へ下への世界であったが、 西蔵はチョモランマを頂いた天空の世界だ。天空に一番近いところ。 だが、そこには現世の幸福は無いし、願ってもいないようなのだ。 驚く程の、僧侶がいて、信仰があるはずなのに、貧しさの中で 妙に明るく、しかも、 […]

最近、夢中で読んだ本、陳舜臣、永井龍男

陳舜臣、「唐代伝奇」 なかなか楽しめた本だ。 「杜子春」は芥川龍之介の名作になっているし、「枕中記」は「邯鄲の夢」として 能楽になったりもしている。唐代の伝奇小説はいろいろな形で日本に伝えられ、 消化されている。 こういう話は中国に原作があると知りつつも、深くは考えないできているが、 読んでみると、その違いは面白い。 中国と日本の不思議感や奇怪感に微妙な違いや大きな違いがあるのがよくわかる。 「な […]

最近夢中になって読んだ本、藤原新也

藤原新也、「印度放浪」 普通の文庫本の3、4冊分くらいもある分厚い本だ。勿論その文中身が多い。 普通の旅行記とは全く違う。 印度では、未だにガンジスの辺で死した人が焼かれ、河に流される。 あるいは鳥葬もある。 日々の暮らしに生き死にが関わるのはどこでもあたりまえの話だが、 印度には、それぞれがむき出しの生々しさを見せながらの混沌の風景がある。 一旦、その混沌に捉われてしまうと容易には抜け出しがたい […]

最近夢中で読んだ本、中村 祥二、オマール・ハイヤーム

中村 祥二、「調香師の手帖 香りの世界をさぐる」 「資生堂」でパフューマーとして研究をしてきた作者の、香りと調香へのこだわりを語る本だ。 実に楽しくておもしろい。 日頃の生活の中では、嗅覚というのはあまり気にしていないが実は非常に重要なのだ。 心を癒し、病まで癒す働きがある。 そういえば、ベトナムで沈香を買って来て、香道の真似事をしたこともある。 アジアは香料の宝庫だから、又機会があったらいろんな […]